お客様から頻繁にいただくご質問や、相続のケーススタディをご紹介します。
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ケーススタディの記事
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- ケーススタディ
- Q.相続登記
- A.Q 令和4年1月に父が亡くなり、相続人である子の私が父の自宅を取得しました。不動産登記は費用もかかるので登記はしない方向で考えていますが問題はありますか? A 現在相続登記に義務はありませんが、今後相続登記が義務化されますので、できるだけ早く相続登記を行うことをおすすめします。 現在義務がないため相続登記をしない場合が多く、長い期間を経て土地の所有者がわからなくなるという事態が生じています。いわゆる土地の所有者不明問題です。 この問題の解決のため法改正により、これまで義務のなかった不動産の相続登記が今後義務化されます。 相続登記が義務化されると、土地所有者が亡くなった時に亡くなった方の配偶者や子などの相続人は、相続で不動産取得を知った日から3年以内に相続登記することが必要になります。 正当な理由なく登記・名義変更をしないと10万円以下の過料が科されます。 相続登記の義務化は、令和6年(2024年)4月1日に施行されます。 相続登記の義務化は、施行日前に相続の開始があった場合についても適用されます(遡及適用)。 施行日 自己のために相続開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日 (2)のいずれか遅い日から3年以内に相続登記を行う必要があります。 ※相続登記 登記簿の所有者の名義を変更するには、法務局へ所有権移転登記を申請します。この登記申請のことを不動産の名義変更手続きといいます。 この所有権移転登記のうち、亡くなった方から相続により名義変更することを相続登記と呼びます。 ※ご不明な点はOAG税理士法人までお問い合わせください。
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- Q.遺言による寄付
- A.Q 自分自身が高齢となり、社会貢献を意識するようになりました。自身が亡くなった後、まとまった金銭をNPO法人等に寄付したいと考え、遺言書を用意する予定です。家族は娘が1人おりますが、何か注意することがあれば教えて下さい。 A 財産をどの団体に承継させるのかは、被相続人となる人が遺言で自由に決めることができます。 また、遺言により法人へ寄付した場合、原則として相続税は課されません。 公益性の高くない法人、例えば親族が経営している株式会社等に寄付した場合には法人税の対象となります。 注意する点としては、相続人には遺留分があることです。遺留分とは相続人に認められた遺産の取り分で、最低保証されている金額です。もし相続人が主張すれば、一定の遺産を取得することができ、寄附を受けた団体は相続人に財産を返さなければなりません。 2019年7月に相続税法が改正され、遺留分の侵害があった場合には、遺留分の取り戻しを金銭で請求する権利(遺留分侵害額請求権)に変更されました。 また、遺留分侵害請求権の対象となる生前贈与は、相続開始前10年内に行われたものと限定されました。 相続人の遺留分を侵害しないように遺産の分配を調整するなどご検討頂く必要があります。事前に、遺言書で指定する団体に財産を受取ってもらえるかどうか確認しておくことも必要です。 今回は金銭での寄付をご検討とのことですので、譲渡所得については考慮する必要はありません。仮に不動産や株式の現物を寄付する場合は、取得費相当額と遺贈時の時価との差額に含み益があると、みなし譲渡課税の対象となり、準確定申告で所得税の納税が必要となります。 ※なお、一定の要件を満たせば、みなし譲渡課税が非課税となる特例もありますので、ご検討されている場合にはぜひご相談下さい。
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- Q.相続開始前3年以内に特定贈与信託を受けた場合
- A.Q 令和3年8月に私の叔母がなくなり、私の母が叔母の財産を相続したため、相続税の申告が必要となります。 私の母は、令和1年12月に叔母から特定贈与信託により3,000万円の贈与を受けています。 相続税の申告の際、相続開始の3年以内の贈与は相続税の計算に影響すると聞きましたが、私の母の場合は該当するのでしょうか? 私の母は、精神障害者の障害者手帳3級を保持しています。 A あなたのお母様が受けている特定贈与信託については、相続財産への加算の対象となりません。 あなたのお母様は、精神障害者3級のため特別障害者以外の特定障害者として、特定贈与信託の3,000万円の非課税の制度を受けています。 相続開始前3年以内の贈与の相続財産への加算の対象は、贈与税の課税価格の計算の基礎に算入されるものに限られます。そのため、贈与税が非課税とされた3,000万円は、相続財産への加算の対象となりません。 仮に、非課税枠が3,000万の方に対して4,000万円の贈与をした場合には、1,000万円は贈与税の課税対象となり、相続開始前3年以内の贈与として相続財産への加算の対象にもなります。 【参考】 特定贈与信託は、特定障害者の方の生活の安定を図ることを目的に、そのご家族等が金銭等の財産を信託銀行等に信託するものです。 特定贈与信託を利用すると、相続税法の「特定障害者に対する贈与税の非課税制度」により、特別障害者の方は、6,000万円、特別障害者以外の特定障害者の方は3,000万円を限度として贈与税が非課税となります。 重度の心身障害者の方は、特別障害者に該当し、中軽度の知的障害者及び障害者等級2級または3級の精神障害者等の方は、特別障害者以外の特定障害者に該当します。 ※ご不明な点等ございましたら、OAG税理士法人までお問合せ下さい。
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- Q.相続人が行方不明の場合
- A.Q 相続人の中で行方不明の人がいるため、遺産分割協議ができませんが、相続税の申告はどのように対応したら良いのでしょうか A 現状のままの場合 遺産分割協議が整わないため、相続財産は未分割となり行方不明者以外は民法上の法定相続分により相続税の申告をすることになります。未分割の申告になると以下の特例が適用できません。 ・ 配偶者に対する相続税額の軽減 ・小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 特に、相続人の中に配偶者がいる場合は税額軽減が使えず、また、地価の高い自宅をお持ちの場合も小規模宅地の減額が適用できないので納税資金が大変な負担となります。 行方不明が7年以上の場合 行方不明から生死が7年以上明らかでない相続人がいる場合は、利害関係人の申立てに基づき、家庭裁判所で「失踪宣告」をしてもらいます。 失踪宣告がなされると、失踪者は死亡したとみなされます。つまりその失踪宣告が相続開始前であれば、失踪者の代襲相続人が相続人となり、他の相続人と共に遺産分割協議を行い、相続税の申告をすることとなります。 行方不明が7年未満の場合 行方不明から7年未満の場合は、上記の失踪宣告はできません。利害関係人の申立てに基づき、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任をしてもらいます。選任された不在者財産管理人は、家庭裁判所の許可を得た上で遺産分割の協議に参加することが出来ますので、その分割協議により相続税の申告をすることとなります。 上記①の未分割申告の場合は、原則として、3年以内に遺産分割を行った場合に上記の特例の適用があります。また、相続税の申告期限の翌日から3年を経過する日までに分割できない場合は、一定の手続きにより、さらに3年という分割期間を延長することが出来ます。 但し、分割期間は延長できますが、この場合他の相続人の精神的疲労を考えると、財産管理人の選任を行い、遺産分割を進められる方がよろしいのではないでしょうか。 ※手続きについてご不明点がございましたら、OAG税理士法人へお問合せください。
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- Q.現役死亡により勤務先から受け取ったもの
- A.Q 現役の会社員だった夫が死去しました。勤務先から様々な名目で私の口座に振り込まれましたが、これらのすべてに対して相続税がかかるのでしょうか? A 勤務先から受け取ったものの全額が相続税の課税の対象になるのではありませんので、それぞれ内容を確認してください。また、相続財産への計上もれがないように、入金額に関する資料だけでなく奥様の通帳も確認するようにしてください。 死亡退職金 生命保険金と同じように非課税枠(500万円×法定相続人の数)があります。 弔慰金 以下の金額まで相続税は課税されません。 ・被相続人の死亡が業務上の死亡の場合には、死亡当時の普通給与の3年・ ・上記以外の場合には、普通給与の半年・ 香典 相続税は課税されません。一方、香典返しは相続財産から控除する葬式費用には含まれません。 未収給与 相続開始後に支払われた給与があった場合は未収金として相続財産に含まれます。 ※具体的な確認が必要な場合やご不明点がございましたら、OAG税理士法人へお問合せください。
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- Q.暦年贈与の注意点・・・贈与税が引ききれないときは切り捨て
- A.Q 今年の2月に父が亡くなり、相続税の申告手続きを税理士に依頼しています。 先日申告内容の説明を受けましたが、「贈与税額控除」のところで驚きました。 支払った贈与税の全額が控除できると思っていたのですが、そうではないのですね? A はい、暦年贈与にかかる「贈与税額控除」は、相続税額を限度として控除されます。 暦年贈与での贈与税額が相続税額より多いときは、切り捨てとなり還付されませんので、注意が必要です。 例)相続人:母、兄、私の3人 遺産総額:6,000万円(令和2年の私への贈与300万円を含む) ・相続税額の総額 6,000万円-基礎控除(3,000万円+600万円×3=4,800万円)=1,200万円 1)妻 ①×1/2×10%=60万円 2)子 ①×1/4×10%=30万円 3)子 ①×1/4×10%=30万円 合計120万円 ・私の算出税額 取得財産の価額 相続財産 450万円と令和2年の贈与財産300万円 合計750万円 120万円(相続税の総額)×①(750万円)/6,000万円(遺産総額)=15万円 ・贈与税額控除額 支払い済の贈与税 300万円-110万円)×10%=19万円 贈与税額控除額 19万円>15万円(算出税額) ∴15万円 ※生前贈与は多くの場合節税となりますが、事前にと相続税とのバランスを確認されることをおすすめします。ご不明な点がございましたら是非OAG税理士法人へお問合せ下さい。
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- Q.祖父所有土地の分割協議が決まらない場合 ~一部の財産が未分割の場合の配偶者の税額軽減~
- A.Q 今春死亡した父の遺品整理中に、昭和60年に死亡した、父方の祖父が所有する土地(東京の23区内)について分割協議が未了であることがわかりました。 祖父の相続人は、父と2人の叔父の3人です。土地の価値が高いのと兄弟仲も良くないので話合いが決まらないままだったようです。 父自身の財産は、自宅と金融資産を合わせて8,000万円位です。母は65歳でまだまだ元気なので、全部母が相続することに、相続人全員(母、私、妹)で決めたので、配偶者税額軽減の特例を適用し相続税の納税も不要と考えていました。 祖父所有の土地があることがわかったことにより、父の相続税申告にどのような影響がありますか? A 【お父様の法定相続分を財産計上】 お祖父様所有土地については、あなた方3名の間でも、分割協議未了なので、お父様の法定相続分である1/3を未分割財産として、次の割合で相続財産に計上・申告する必要があります。 お母様・・・1/3×1/2=1/6 あなた・・・1/3×1/2×1/2=1/12 妹さん・・・1/3×1/2×1/2=1/12 特別受益については考慮しておりません。 【配偶者の税額軽減】 配偶者の税額軽減の特例は、分割協議により取得することが決まっている財産について適用できます。お父様ご自身の財産については適用できますが、お祖父様の財産については、適用できません。 よって、お母様も、あなたも、妹さんも相続税を納税する必要があります。 【申告期限後3年以内の分割見込書】 お祖父様の財産について、将来分割協議がまとまった時に、配偶者の税額軽減等の特例を受けようとする時には『申告期限後3年以内の分割見込書』を提出する必要があります。 お祖父様の分割協議が法定相続分とは異なる割合で決まった場合には、相続税の更正の請求書、又は修正申告書を提出します。 3年以内に分割協議がまとまらなかった場合には、配偶者の税額軽減等の特例適用のために提出する書類があります。 ※詳細は、OAG税理士法人までお問い合わせください。
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- Q.持分なし医療法人へ貸している土地の小規模宅地の特例
- A.Q 私は医療法人の理事長をしています。当法人は10年前に私の父が設立した出資持分のない医療法人で、前理事長である私の父が所有する土地の上に当法人が診療所を建設し、父に対して当法人から土地の賃貸借契約締結時に権利金を支払ったうえで毎月地代を支払っております。もし、この状態で父が亡くなった場合、当該診療所の土地は相続税の計算上どのように評価されるのでしょうか。 A 医療法人には、大別しますと出資持分のある医療法人と出資持分のない医療法人の2つの類型があります。両者では相続税法上の取扱いが異なり、出資持分があるかないかは相続税の計算上、非常に重要です。 土地の評価については、医療法人の類型に関わらず、その土地の路線価に基づいて評価されます(路線価地域の場合)。路線価に土地の形状等を勘案し、㎡単価を算出し、その土地の地積を乗じて評価額を算出します(自用地としての価額)。そのうえで、ご質問のケースでは、次の算式で計算した値が評価額となります。 自用地としての価額 - 自用地としての価額 × 借地権割合 さらに、土地の評価については小規模宅地の特例という制度がございます。貸地の場合に適用可能性があるものとしては、「特定同族会社事業用宅地等」「貸付事業用宅地等」の2つが考えられます。ここで、出資持分のない医療法人の場合、「特定同族会社事業用宅地等」の要件を満たすことはできません(要件については割愛いたします)。 一方で、貸付事業用宅地等については出資持分のない医療法人であっても要件を満たす可能性がございます。要件を満たしますと、当該土地のうち200㎡までを限度として、評 価額の50%が減額されます。 【計算例】診療所の土地400㎡、路線価方式によって算出した㎡単価200千円、借地権割合60%の場合 土地評価額:400㎡×200千円 = 80,000千円 80,000千円 - (80,000千円×60%)= 32,000千円(A) 小規模宅地の特例(貸付事業用宅地等):(A)×200㎡/400㎡×50% = 8,000千円(B) (A)-(B)= 24,000千円 ※土地の無償返還に関する届出書の提出がある場合やご自宅の土地も所有されている場合など、状況次第では異なる計算結果になることもございます。 詳しくはOAG税理士法人までお問い合わせください。
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- ケーススタディ
- Q.がけ地等を有する宅地の評価
- A.Q 父の所有する自宅の敷地の一部が、崖(通常の用途に供することができない傾斜)になっています。父が亡くなった場合、相続税の計算はどのようにするのでしょうか。 A 自宅の敷地の一部が崖になっている場合には、崖となっている部分に建物が建てられないため、「がけ地等を有する宅地」として、評価します。 計算方法としては、自宅が平坦な土地であると仮定して求めた土地の評価額に、「がけ地補正率」をかけることになりますが、「がけ地補正率」は、次の手順で確認します。 土地全体の地積を把握する がけ地部分の地積を確認する 「がけ地割合(①÷②)」を計算する 「がけ地の方位(がけ地がどの方角を向いているか)」確認する 「がけ地補正率表」で「がけ地補正率」を確認する 「がけ地割合」が、全体の10%以上であれば、がけ地補正率による調整の対象になり、「がけ地割合」が大きくなるほど、がけ地補正率による減額が大きくなります。 なお、自宅の敷地が、土砂災害特別警戒区域内にある場合は、がけ地補正率調整と特別区域補正率を併用して、評価を減額していきます。 ※詳細な適用要件や、計算方法はOAG税理士法人までお問い合わせください。
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- Q.成年年齢引き下げによる相続への影響
- A.Q 令和4年4月1日より成年年齢が20歳から18歳へ引き下げられますが、相続税・贈与税にはどのような影響がありますでしょうか。 A 平成30年6月に民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げること等を内容とする民法の一部を改正する法律が公布され、令和4年4月1日から施行されることとなりました。 相続税・贈与税においても20歳を基準としているものがあり、改正により18歳へ引き下げられるため、成年年齢の引き下げによる影響がある制度をご紹介いたします。 □未成年者控除 相続人の中に未成年者がいる場合には、その未成年者に対し相続税が一定額控除される「未成年者控除」という制度があります。令和4年4月1日以後に開始した相続の未成年者控除は法定相続人が18歳未満の者である場合には、18歳(改正前:20歳)に達するまでの年数(1年未満の端数は切り上げ)に10万円を乗じた金額を、相続税額から控除するよう改正されました。 □相続時精算課税制度 相続時精算課税の適用を受けることができる者は、贈与者(60歳以上)の推定相続人で贈与の年の1月1日において18歳(改正前:20歳)以上の者とされ、改正により2年早く適用が受けられるようになりました。 □直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率の特例 贈与税の税率の特例とは、その年の1月1日において20歳以上の者が直系尊属より贈与を受けた場合、特例税率を用いて税額を計算します。この場合における20歳以上の年齢要件が18歳以上に改正されました。 □その他 事業承継税制に係る受贈者の年齢要件 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の受贈者の年齢要件 尚、現状20歳以上でなければ遺産分割協議に参加できませんが、令和4年4月1日以降であれば、同日時点で18歳以上の相続人は遺産分割協議に参加することができます。 ※詳細につきましてはOAG税理士法人までお問い合わせください。