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暦年贈与の注意点・・・贈与税が引ききれないときは切り捨て

Q 今年の2月に父が亡くなり、相続税の申告手続きを税理士に依頼しています。
先日申告内容の説明を受けましたが、「贈与税額控除」のところで驚きました。
支払った贈与税の全額が控除できると思っていたのですが、そうではないのですね?

A はい、暦年贈与にかかる「贈与税額控除」は、相続税額を限度として控除されます。
暦年贈与での贈与税額が相続税額より多いときは、切り捨てとなり還付されませんので、注意が必要です。

例)相続人:母、兄、私の3人
 遺産総額:6,000万円(令和2年の私への贈与300万円を含む)

・相続税額の総額

  1. 6,000万円-基礎控除(3,000万円+600万円×3=4,800万円)=1,200万円
  2. 1)妻 ①×1/2×10%=60万円
      2)子 ①×1/4×10%=30万円
      3)子 ①×1/4×10%=30万円  合計120万円

・私の算出税額

  1. 取得財産の価額
    相続財産 450万円と令和2年の贈与財産300万円 合計750万円
  2. 120万円(相続税の総額)×①(750万円)/6,000万円(遺産総額)=15万円

・贈与税額控除額

  1. 支払い済の贈与税

    300万円-110万円)×10%=19万円

  2. 贈与税額控除額
    19万円>15万円(算出税額) ∴15万円

※生前贈与は多くの場合節税となりますが、事前にと相続税とのバランスを確認されることをおすすめします。ご不明な点がございましたら是非OAG税理士法人へお問合せ下さい。

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