【ゆうちょ銀行】相続手続きの必要書類一覧|「2回訪問」が必要な理由とWeb案内サービスの活用法

  • 相続手続き

「ゆうちょ銀行の口座を持つ家族が亡くなり、相続手続きが必要になったけれど、何から手をつければいいのかわからない……」

そんな不安を抱えていませんか。

ゆうちょ銀行の相続手続きは、一般的な銀行と異なり、まず相続の申し出を行い、その後に必要書類の案内を受ける流れとなっています。そのため、窓口で手続きを行う場合は、通常2回の来店が必要です。

本記事では、手続きの第一歩となる「相続確認表」の書き方から、ケース別の必要書類までわかりやすく解説します。また、負担を軽減できる「相続Web案内サービス」や「法定相続情報一覧図」の活用方法についてもご紹介します。

1. ゆうちょ銀行の相続はここが違う!手続き完了まで「2回」の訪問が必要

ゆうちょ銀行の預金を相続する場合は、まず相続の申し出を行い、その後に必要書類の案内を受けてから正式な手続きを進めます。

そのため、戸籍謄本などをあらかじめ用意して窓口へ持参しても、その場ですべての手続きが完了するわけではありません。

1-1.【図解】ゆうちょ銀行の相続手続き3ステップ

一般的な手続きの流れは以下の通りです。

【ゆうちょ銀行の相続手続き3STEP】
  • STEP1: 相続確認表の提出(申し出)
    最寄りの郵便局(またはゆうちょ銀行)の貯金窓口で「相続確認表」を提出します。この段階では、原則として戸籍謄本などの書類は必要ありません。
  • STEP2: 必要書類の準備(案内の受け取り)
    相続確認表の提出後、通常1〜2週間程度で貯金事務センターから相続人へ「必要書類のご案内」と「貯金等相続手続請求書」が郵送されます。
  • STEP3: 相続手続きの完了(書類提出・払い戻し)
    案内に従って必要書類を収集し、窓口へ提出します。書類に不備がなければ審査後に払戻しや名義変更などの手続きが行われます。

図1:ゆうちょ銀行の相続手続き3STEP
ゆうちょ銀行の相続手続き3STEP

1-2. 相続Web案内サービスを利用すると窓口訪問を1回にできる場合がある

「平日に何度も郵便局へ行くのは難しい」という方は、「相続Web案内サービス」の利用がおすすめです。

このサービスでは、相続確認表の提出に代わる手続きをインターネット上で行うことができます。

亡くなった方(被相続人)の情報や相続関係などを入力すると、後日、必要書類の案内が郵送されるため、窓口へ行くのは書類提出時の1回だけで済みます。

ただし、次のようなケースでは利用できない場合があります

  • 被相続人の貯金の有無・記号番号が不明
  • 投資信託などを利用している
  • 非課税貯金を利用している
  • 住宅ローンを利用している
  • 電子マネー(Suica・Edy)を利用している
  • 被相続人よりも後に亡くなった相続人がいる

※利用条件は変更される可能性があるため、事前に確認しておくと安心です。

2. 相続手続きの第一歩「相続確認表」とは?入手方法と記入のコツ

相続確認表は、ゆうちょ銀行が相続関係を確認し、必要書類を判断するための書類です。

2-1. 相続確認表の入手方法|窓口・Webサイト

  • 窓口で受け取る:全国の郵便局・ゆうちょ銀行の窓口で受け取れます。
  • Webでダウンロードする:ゆうちょ銀行の公式サイトからPDFをダウンロードし、印刷して利用できます。

2-2. 相続確認表の記入ガイド

相続確認表には、主に次の内容を記入します。

  • 遺言書の有無: 遺言書があるか、または遺産分割協議が済んでいるか。
  • 被相続人の情報:住所、 氏名、生年月日、死亡年月日。
  • 代表相続人の情報:手続きを進める人の住所、氏名、連絡先。
  • 相続人の構成::配偶者や子、あるいは兄弟姉妹など、家系図形式で該当する範囲を記入。
  • 口座情報::通帳の種類や記号番号、払戻金の受取方法などを記入。

※通帳やキャッシュカードが見当たらない場合は、被相続人名義の口座が存在するかを確認する「現存照会」を利用できます。

図2:相続確認表の記入例
相続確認表の記入例

相続確認表の記入例

相続確認表の記入例

3. 【ケース別】2回目の訪問で準備する「必要書類」チェックリスト

貯金事務センターから案内が届いたら、指定された書類を準備します。必要書類は相続の状況によって異なります。

3-1.遺言書がない場合の必要書類

遺産分割協議を行う場合の一般的な必要書類は次のとおりです。

  • 貯金等相続手続請求書(郵送されてきた専用用紙)
  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑登録証明書(発行から6ヶ月以内)
  • 遺産分割協議書(相続人全員の実印が押印されたもの)
  • 被相続人の預金通帳や証書等
  • 払戻金を受け取る相続人の実印

※法定相続分どおりに払い戻しを受ける場合など、相続人全員の同意が確認できるケースでは、遺産分割協議書が不要となることがあります。

3-2.遺言書がある場合の必要書類

遺言書に基づいて手続きを行う場合の一般的な必要書類は次のとおりです。

  • 貯金等相続手続請求書(郵送されてきた専用用紙)
  • 遺言書の原本
  • 被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本
  • 受遺者(遺言書によって財産を引き継ぐ方)の印鑑登録証明書および実印
  • 遺言執行者の印鑑登録証明書および実印
  • 被相続人の預金通帳や証書等

※自筆証書遺言(法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していない場合)や秘密証書遺言は、家庭裁判所の検認が必要です。

図3:貯金等相続手続請求書の見本
貯金等相続手続請求書の見本

3-3.手続きを第三者に頼む場合は委任状が必要

ゆうちょ銀行の相続手続きは、相続人本人以外の代理人へ委任することもできます。代理人が手続きを行う場合は、上記の必要書類に加えて次の書類を準備します。

  • 委任状
  • 代理人の本人確認書類

委任状には委任者本人が自筆で記入し、実印を押印する必要があります。「書類の提出」や「払戻金の受領」など、代理人にどこまで権限を任せるかをチェック(レ点)する欄もあります。

図4:委任状の記入例
委任状の記入例

4. 法定相続情報一覧図を活用すると手続きがスムーズになる

ゆうちょ銀行以外にも銀行口座や不動産の相続手続きが必要な場合、毎回大量の戸籍謄本を提出するのは大きな負担になります。

そこで活用したいのが、法務局が発行する法定相続情報一覧図です。

図5:法定相続情報一覧図の写しで手続きを簡略化できる
法定相続情報一覧図の写しで手続きを簡略化できる

4-1. 法定相続情報一覧図を使うメリット

  • 戸籍謄本の提出負担を軽減できる:戸籍謄本一式の代わりに提出できるため、金融機関ごとに戸籍を何度も提出する手間を減らせます。
  • 無料で複数枚発行できる:必要枚数を取得できるため、複数の金融機関や不動産手続きを同時に進めやすくなります。
  • 原本還付の手間が省ける:戸籍原本の返却手続きを行う必要がなくなり、紛失リスクの軽減にもつながります。

4-2. 法定相続情報一覧図の取得方法(法務局)

  1. 必要書類の収集:戸籍謄本一式、住民票除票、相続人の住民票などを収集します。
  2. 一覧図の作成:相続関係を示した家系図方式の一覧図を作成します。
  3. 申し立て:法務局へ書類を提出し、登記官の認証を受けると法定相続情報一覧図の「写し」が交付されます。

5. まとめ

ゆうちょ銀行の相続手続きは、まず相続の申し出を行い、その後に必要書類の案内を受けるという独自の流れになっています。

そのため、窓口で手続きを進める場合は通常2回の来店が必要ですが、「相続Web案内サービス」や「法定相続情報一覧図」を活用することで、手続きの負担を大きく軽減できます。

また、相続手続きでは戸籍の収集や金融機関ごとの対応に時間がかかるだけでなく、相続税の申告が必要になるケースもあります。

「必要書類がわからない」「相続税が発生するかわからない」「手続きをまとめて任せたい」という場合は、専門家へ早めに相談することをおすすめします。

OAG税理士法人では、相続手続きのサポートから相続税申告、遺産分割に関するアドバイスまでワンストップで対応しています。相続に関するお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。

 

監修者情報
OAG税理士法人 相続チーム 部長奥田 周年

専門分野:相続税、事業承継

(東京税理士会:登録番号83897) 1994年OAG税理士法人に入所。承継相続分野における第一人者として、相続を中心とした税務アドバイスを行うほか、事業承継や相続関連で多数の著書を執筆、監修するなど、幅広く活躍している。