お客様から頻繁にいただくご質問や、相続のケーススタディをご紹介します。
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- Q.相続人が行方不明の場合
- A.Q 相続人の中で行方不明の人がいるため、遺産分割協議ができませんが、相続税の申告はどのように対応したら良いのでしょうか A 現状のままの場合 遺産分割協議が整わないため、相続財産は未分割となり行方不明者以外は民法上の法定相続分により相続税の申告をすることになります。未分割の申告になると以下の特例が適用できません。 ・ 配偶者に対する相続税額の軽減 ・小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 特に、相続人の中に配偶者がいる場合は税額軽減が使えず、また、地価の高い自宅をお持ちの場合も小規模宅地の減額が適用できないので納税資金が大変な負担となります。 行方不明が7年以上の場合 行方不明から生死が7年以上明らかでない相続人がいる場合は、利害関係人の申立てに基づき、家庭裁判所で「失踪宣告」をしてもらいます。 失踪宣告がなされると、失踪者は死亡したとみなされます。つまりその失踪宣告が相続開始前であれば、失踪者の代襲相続人が相続人となり、他の相続人と共に遺産分割協議を行い、相続税の申告をすることとなります。 行方不明が7年未満の場合 行方不明から7年未満の場合は、上記の失踪宣告はできません。利害関係人の申立てに基づき、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任をしてもらいます。選任された不在者財産管理人は、家庭裁判所の許可を得た上で遺産分割の協議に参加することが出来ますので、その分割協議により相続税の申告をすることとなります。 上記①の未分割申告の場合は、原則として、3年以内に遺産分割を行った場合に上記の特例の適用があります。また、相続税の申告期限の翌日から3年を経過する日までに分割できない場合は、一定の手続きにより、さらに3年という分割期間を延長することが出来ます。 但し、分割期間は延長できますが、この場合他の相続人の精神的疲労を考えると、財産管理人の選任を行い、遺産分割を進められる方がよろしいのではないでしょうか。 ※手続きについてご不明点がございましたら、OAG税理士法人へお問合せください。
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- Q.現役死亡により勤務先から受け取ったもの
- A.Q 現役の会社員だった夫が死去しました。勤務先から様々な名目で私の口座に振り込まれましたが、これらのすべてに対して相続税がかかるのでしょうか? A 勤務先から受け取ったものの全額が相続税の課税の対象になるのではありませんので、それぞれ内容を確認してください。また、相続財産への計上もれがないように、入金額に関する資料だけでなく奥様の通帳も確認するようにしてください。 死亡退職金 生命保険金と同じように非課税枠(500万円×法定相続人の数)があります。 弔慰金 以下の金額まで相続税は課税されません。 ・被相続人の死亡が業務上の死亡の場合には、死亡当時の普通給与の3年・ ・上記以外の場合には、普通給与の半年・ 香典 相続税は課税されません。一方、香典返しは相続財産から控除する葬式費用には含まれません。 未収給与 相続開始後に支払われた給与があった場合は未収金として相続財産に含まれます。 ※具体的な確認が必要な場合やご不明点がございましたら、OAG税理士法人へお問合せください。
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- Q.暦年贈与の注意点・・・贈与税が引ききれないときは切り捨て
- A.Q 今年の2月に父が亡くなり、相続税の申告手続きを税理士に依頼しています。 先日申告内容の説明を受けましたが、「贈与税額控除」のところで驚きました。 支払った贈与税の全額が控除できると思っていたのですが、そうではないのですね? A はい、暦年贈与にかかる「贈与税額控除」は、相続税額を限度として控除されます。 暦年贈与での贈与税額が相続税額より多いときは、切り捨てとなり還付されませんので、注意が必要です。 例)相続人:母、兄、私の3人 遺産総額:6,000万円(令和2年の私への贈与300万円を含む) ・相続税額の総額 6,000万円-基礎控除(3,000万円+600万円×3=4,800万円)=1,200万円 1)妻 ①×1/2×10%=60万円 2)子 ①×1/4×10%=30万円 3)子 ①×1/4×10%=30万円 合計120万円 ・私の算出税額 取得財産の価額 相続財産 450万円と令和2年の贈与財産300万円 合計750万円 120万円(相続税の総額)×①(750万円)/6,000万円(遺産総額)=15万円 ・贈与税額控除額 支払い済の贈与税 300万円-110万円)×10%=19万円 贈与税額控除額 19万円>15万円(算出税額) ∴15万円 ※生前贈与は多くの場合節税となりますが、事前にと相続税とのバランスを確認されることをおすすめします。ご不明な点がございましたら是非OAG税理士法人へお問合せ下さい。
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- Q.祖父所有土地の分割協議が決まらない場合 ~一部の財産が未分割の場合の配偶者の税額軽減~
- A.Q 今春死亡した父の遺品整理中に、昭和60年に死亡した、父方の祖父が所有する土地(東京の23区内)について分割協議が未了であることがわかりました。 祖父の相続人は、父と2人の叔父の3人です。土地の価値が高いのと兄弟仲も良くないので話合いが決まらないままだったようです。 父自身の財産は、自宅と金融資産を合わせて8,000万円位です。母は65歳でまだまだ元気なので、全部母が相続することに、相続人全員(母、私、妹)で決めたので、配偶者税額軽減の特例を適用し相続税の納税も不要と考えていました。 祖父所有の土地があることがわかったことにより、父の相続税申告にどのような影響がありますか? A 【お父様の法定相続分を財産計上】 お祖父様所有土地については、あなた方3名の間でも、分割協議未了なので、お父様の法定相続分である1/3を未分割財産として、次の割合で相続財産に計上・申告する必要があります。 お母様・・・1/3×1/2=1/6 あなた・・・1/3×1/2×1/2=1/12 妹さん・・・1/3×1/2×1/2=1/12 特別受益については考慮しておりません。 【配偶者の税額軽減】 配偶者の税額軽減の特例は、分割協議により取得することが決まっている財産について適用できます。お父様ご自身の財産については適用できますが、お祖父様の財産については、適用できません。 よって、お母様も、あなたも、妹さんも相続税を納税する必要があります。 【申告期限後3年以内の分割見込書】 お祖父様の財産について、将来分割協議がまとまった時に、配偶者の税額軽減等の特例を受けようとする時には『申告期限後3年以内の分割見込書』を提出する必要があります。 お祖父様の分割協議が法定相続分とは異なる割合で決まった場合には、相続税の更正の請求書、又は修正申告書を提出します。 3年以内に分割協議がまとまらなかった場合には、配偶者の税額軽減等の特例適用のために提出する書類があります。 ※詳細は、OAG税理士法人までお問い合わせください。
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- Q.持分なし医療法人へ貸している土地の小規模宅地の特例
- A.Q 私は医療法人の理事長をしています。当法人は10年前に私の父が設立した出資持分のない医療法人で、前理事長である私の父が所有する土地の上に当法人が診療所を建設し、父に対して当法人から土地の賃貸借契約締結時に権利金を支払ったうえで毎月地代を支払っております。もし、この状態で父が亡くなった場合、当該診療所の土地は相続税の計算上どのように評価されるのでしょうか。 A 医療法人には、大別しますと出資持分のある医療法人と出資持分のない医療法人の2つの類型があります。両者では相続税法上の取扱いが異なり、出資持分があるかないかは相続税の計算上、非常に重要です。 土地の評価については、医療法人の類型に関わらず、その土地の路線価に基づいて評価されます(路線価地域の場合)。路線価に土地の形状等を勘案し、㎡単価を算出し、その土地の地積を乗じて評価額を算出します(自用地としての価額)。そのうえで、ご質問のケースでは、次の算式で計算した値が評価額となります。 自用地としての価額 - 自用地としての価額 × 借地権割合 さらに、土地の評価については小規模宅地の特例という制度がございます。貸地の場合に適用可能性があるものとしては、「特定同族会社事業用宅地等」「貸付事業用宅地等」の2つが考えられます。ここで、出資持分のない医療法人の場合、「特定同族会社事業用宅地等」の要件を満たすことはできません(要件については割愛いたします)。 一方で、貸付事業用宅地等については出資持分のない医療法人であっても要件を満たす可能性がございます。要件を満たしますと、当該土地のうち200㎡までを限度として、評 価額の50%が減額されます。 【計算例】診療所の土地400㎡、路線価方式によって算出した㎡単価200千円、借地権割合60%の場合 土地評価額:400㎡×200千円 = 80,000千円 80,000千円 - (80,000千円×60%)= 32,000千円(A) 小規模宅地の特例(貸付事業用宅地等):(A)×200㎡/400㎡×50% = 8,000千円(B) (A)-(B)= 24,000千円 ※土地の無償返還に関する届出書の提出がある場合やご自宅の土地も所有されている場合など、状況次第では異なる計算結果になることもございます。 詳しくはOAG税理士法人までお問い合わせください。
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- Q.がけ地等を有する宅地の評価
- A.Q 父の所有する自宅の敷地の一部が、崖(通常の用途に供することができない傾斜)になっています。父が亡くなった場合、相続税の計算はどのようにするのでしょうか。 A 自宅の敷地の一部が崖になっている場合には、崖となっている部分に建物が建てられないため、「がけ地等を有する宅地」として、評価します。 計算方法としては、自宅が平坦な土地であると仮定して求めた土地の評価額に、「がけ地補正率」をかけることになりますが、「がけ地補正率」は、次の手順で確認します。 土地全体の地積を把握する がけ地部分の地積を確認する 「がけ地割合(①÷②)」を計算する 「がけ地の方位(がけ地がどの方角を向いているか)」確認する 「がけ地補正率表」で「がけ地補正率」を確認する 「がけ地割合」が、全体の10%以上であれば、がけ地補正率による調整の対象になり、「がけ地割合」が大きくなるほど、がけ地補正率による減額が大きくなります。 なお、自宅の敷地が、土砂災害特別警戒区域内にある場合は、がけ地補正率調整と特別区域補正率を併用して、評価を減額していきます。 ※詳細な適用要件や、計算方法はOAG税理士法人までお問い合わせください。
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- Q.成年年齢引き下げによる相続への影響
- A.Q 令和4年4月1日より成年年齢が20歳から18歳へ引き下げられますが、相続税・贈与税にはどのような影響がありますでしょうか。 A 平成30年6月に民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げること等を内容とする民法の一部を改正する法律が公布され、令和4年4月1日から施行されることとなりました。 相続税・贈与税においても20歳を基準としているものがあり、改正により18歳へ引き下げられるため、成年年齢の引き下げによる影響がある制度をご紹介いたします。 □未成年者控除 相続人の中に未成年者がいる場合には、その未成年者に対し相続税が一定額控除される「未成年者控除」という制度があります。令和4年4月1日以後に開始した相続の未成年者控除は法定相続人が18歳未満の者である場合には、18歳(改正前:20歳)に達するまでの年数(1年未満の端数は切り上げ)に10万円を乗じた金額を、相続税額から控除するよう改正されました。 □相続時精算課税制度 相続時精算課税の適用を受けることができる者は、贈与者(60歳以上)の推定相続人で贈与の年の1月1日において18歳(改正前:20歳)以上の者とされ、改正により2年早く適用が受けられるようになりました。 □直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率の特例 贈与税の税率の特例とは、その年の1月1日において20歳以上の者が直系尊属より贈与を受けた場合、特例税率を用いて税額を計算します。この場合における20歳以上の年齢要件が18歳以上に改正されました。 □その他 事業承継税制に係る受贈者の年齢要件 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の受贈者の年齢要件 尚、現状20歳以上でなければ遺産分割協議に参加できませんが、令和4年4月1日以降であれば、同日時点で18歳以上の相続人は遺産分割協議に参加することができます。 ※詳細につきましてはOAG税理士法人までお問い合わせください。
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- Q.法人に対する遺贈があった場合の注意点
- A.Q 父が亡くなり、相続の手続きを行っています。遺言書にA県に所在する土地を株式会社X社に遺贈する旨の記載がありました。その他の財産については、相続人が取得することとなっています。この遺贈について税務上どんな点に注意すべきでしょうか。 A 法人に対して財産を遺贈した場合、その財産は相続税の課税対象にはなりません。ただし、被相続人の譲渡所得として所得税が課税されます。 遺贈により法人に対し譲渡所得の基因となる資産の移転があった場合には、その資産を時価で譲渡したものとみなされます。したがって、遺贈した資産の時価が取得時の時価を上回っていた場合には値上がり益に対して所得税が課税されます。 この所得税の申告・納付は遺贈を受けた法人ではなく、相続人が行う必要があります。相続人は相続の開始があったことを知った日の翌日から4月以内に被相続人の準確定申告書を提出して、納税する必要があります。 なお、遺贈する相手が公益法人等である場合には、所得税が非課税となる場合があります。 また、X社が同族会社である場合には、X社に無償で資産を移転することによりX社の株価が上昇する可能性があります。その場合には、被相続人からX社の株主に対して上昇した株価相当額の経済的利益の遺贈があったものとして、相続税が課税されます。 ※詳細な課税要件や、計算方法はOAG税理士法人までお問い合わせください。
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- Q.相続税の延納
- A.Q 父の相続財産は主に不動産であり預貯金や有価証券は殆どなく、また私も相続税を一括で納付するだけの預貯金がありません。現状では、相続税の納付期限までに相続税の全額を納付できません。 税額を一括で納付できない場合、分割して払うことは出来るのでしょうか? A 相続税を一括で納付できない場合、分割して払う延納制度があります。相続税は、金銭一時納付が原則ですが財産課税の性格上、課税された相続税を金銭で一時に納付することを困難とする事由が考えられるため年賦延納が認められています。 相続税は、次に掲げる全ての要件を満たす場合に、納税者であるあなたの申請により、その納付を困難とする金額を限度として、担保を提供することにより、年賦で納付することができます。 延納により納付する場合には、延納期間中は利子税の納付が必要となります。 要件 (1)相続税額が10万円を超えること。 (2)金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額の範囲内であること。 (3)延納税額及び利子税の額に相当する担保を提供すること。 ただし、延納税額が100万円以下で、かつ、延納期間が3年以下である場合には担保を提供する必要はありません。 (4)延納申請に係る相続税の納期限又は納付すべき日(延納申請期限)までに、延納申請書に担保提供関係書類を添付して税務署長に提出すること。 ※詳細な適用要件や、計算方法はOAG税理士法人までお問い合わせください。
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- Q.死亡保険金~契約上の受取人が被保険者よりも先に死亡している場合~
- A.Q 先日、兄が亡くなったのですが、下表のような生命保険契約がありました。 しかし、契約上の保険金受取人が以前死亡していた兄の妻になっていたのですが、誰が保険金受取人になるのでしょうか? 〇 生命保険契約の内容 A 契約上の保険金受取人が被保険者よりも先に死亡していた場合には、その保険金については保険金受取人の相続人が受取人になります。 お問い合わせの事例にあてはめますと、当保険契約に基づく保険金の受取人は以前死亡している兄の妻の相続人がお受け取りされることとなります。 ただし、契約上の受取人である兄の妻の相続人に被保険者である兄を含むのか否かについて、という論点もありますが、そちらの判断は保険会社の約款の定めによることとなり、注意が必要となります。まず、約款にて被保険者である兄が相続人に含まれないとされている場合は「兄の妻の相続人」のみが受取人になります。 これに対し、約款にて被保険者である兄が相続人に含まれるとされている場合には「兄の妻の相続人」及び「兄の相続人」が受取人となります。 なお、いずれの場合においても保険金の受取割合については法定相続分ではなく均等取得となります。 以上が死亡保険金の受取人が被保険者よりも先に死亡している場合の取り扱いになりますが、このような思いもよらない相続税の課税を防ぐため、契約上の保険金受取人がお亡くなりになられた場合には契約変更をすることをお勧めいたします。 ※何かご不明な点等がございましたらOAG税理士法人までお問い合わせ下さい。