• ケーススタディ

遺産が未分割の場合の申告

Q 令和3年12月28日に父が亡くなりました。相続人は母と姉と私の3人です。遺言が無かったため遺産分割協議をしていますが、話がまとまりません。協議が調わないまま申告期限の令和4年10月28日を迎えてしまいそうですが、どうしたらよいでしょうか。相続財産は自宅と預金で2億です。

A 分割されていないという理由で、相続税の申告期限が延びることはありません。従って、申告期限の令和4年10月28日迄に申告書の提出と納税をしなければなりません。相続財産の全部又は一部が未分割のまま申告期限を迎える場合、未分割財産は各相続人が法定相続分に従って遺産を取得したものとして相続税の計算をします。

相続人が母と子2人の場合、法定相続分は母1/2、子が各1/4となりますので、母が1億円、子2人が5千万円ずつ取得したと仮定して申告をします。
なお未分割の申告の場合、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」や「配偶者の税額の軽減の特例」は適用できません。

その後分割協議がまとまり、実際の取得額は母が8千万、子が各75百万ずつとなった場合、母は更正の請求の適用ができ、子は修正申告を行うか更正を受けることになります。

更正の請求は、初めに申告した税額よりも実際の分割に基づく税額が少ない場合に提出することができます。ただし更正の請求ができるのは、分割があったことを知った日の翌日から4か月以内となっています。
修正申告は、初めに申告した税額よりも実際の分割に基づく税額が多い場合に提出することができます。

この更正の請求または修正申告では「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」や「配偶者の税額の軽減の特例」を適用することができますが、特例の適用ができるのは、原則として申告期限から3年以内に分割があった場合に限られます。

※ご不明な点はOAG税理士法人までお問い合わせください。

関連する質問