• ケーススタディ

法人に対する遺贈があった場合の注意点

Q 父が亡くなり、相続の手続きを行っています。遺言書にA県に所在する土地を株式会社X社に遺贈する旨の記載がありました。その他の財産については、相続人が取得することとなっています。この遺贈について税務上どんな点に注意すべきでしょうか。

A 法人に対して財産を遺贈した場合、その財産は相続税の課税対象にはなりません。ただし、被相続人の譲渡所得として所得税が課税されます。
遺贈により法人に対し譲渡所得の基因となる資産の移転があった場合には、その資産を時価で譲渡したものとみなされます。したがって、遺贈した資産の時価が取得時の時価を上回っていた場合には値上がり益に対して所得税が課税されます。

この所得税の申告・納付は遺贈を受けた法人ではなく、相続人が行う必要があります。相続人は相続の開始があったことを知った日の翌日から4月以内に被相続人の準確定申告書を提出して、納税する必要があります。

なお、遺贈する相手が公益法人等である場合には、所得税が非課税となる場合があります。

また、X社が同族会社である場合には、X社に無償で資産を移転することによりX社の株価が上昇する可能性があります。その場合には、被相続人からX社の株主に対して上昇した株価相当額の経済的利益の遺贈があったものとして、相続税が課税されます。

※詳細な課税要件や、計算方法はOAG税理士法人までお問い合わせください。

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