《相続時精算課税による贈与税の修正申告の場合》 - OAG税理士法人|市ヶ谷・札幌・埼玉・調布・名古屋・大阪・福岡の事務所

INHERITANCE相続相談

贈与税

2023.11.24

《相続時精算課税による贈与税の修正申告の場合》

 私は昨年父から相続時精算課税により土地の贈与を受け、今年3月に贈与税の申告を行いました。ところが、昨年中に父から現金の贈与を受けていたことを申告時に失念していたことに気付きました。また贈与を受けた土地の評価についても計算誤りにより評価額が過少であることがわかりました。この場合、土地を正しい評価額に直したうえ追加で現金を加算して修正申告を行っても、特別控除の2,500万円以下であれば贈与税の納税は生じないでしょうか?

 

 ご質問の修正事項のうち、追加となる現金については特別控除の適用を受けることができず、贈与を受けた現金の20%相当の贈与税の納税が生じると考えられます。(※)
相続時精算課税の2,500万円の特別控除は、贈与税の期限内申告書に控除を受ける金額等の必要事項の記載がある場合に適用を受けることができるとされています。また贈与税の期限内申告書に必要事項の記載がなかった場合には、その記載がなかったことについてやむを得ない事情があると税務署長が認めるときは、その記載をした書類の提出があった場合に限り、特別控除の適用ができることとされています。したがいまして、贈与税の期限内申告書に記載をしていない現金については、申告期限後にその記載の失念に気付いて修正申告を行った場合でも、当初の期限内申告書に特別控除の適用を受けるものとしての記載がないため、修正申告で特別控除の適用を受けることはできません。

 

一方で贈与税の期限内申告において記載のされた土地については、申告期限後にその評価額に誤りがあったことが判明した場合には、当初の期限内申告書に特別控除の適用を受けるものとしての記載がされていることから、控除額が正しく記載されていないことについてやむを得ない事情があると税務署長が認めるときは、正しい控除額を記載した修正申告書を提出することで、修正申告により評価額が増加したとしても、その増加分についても特別控除の適用を受けることができるものと思われます。

 

※修正申告により納税が生じる場合には贈与税の他に加算税・延滞税などの附帯税が生じる場合があります。
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