《相続税の障害者控除》 - OAG税理士法人|市ヶ谷・札幌・埼玉・調布・名古屋・大阪・福岡の事務所

INHERITANCE相続相談

相続税

2023.12.15

《相続税の障害者控除》

Q. 今年4月に同居の父の相続が発生しました。父は障害者手帳を保有しており、長男である私が扶養親族として確定申告で所得税の障害者控除を受けていました。相続人は私一人です。先日、税務署から「相続税のおたずね」が届いており、試算をしてみたところ相続税申告が必要という状況です。障害者であった父の相続に関して、相続税で受けられる特例等があるのでしょうか?

 

A. 障害のある方は、所得税をはじめ税金に関して様々な特例を受けることができます。相続税の場合、相続人が85歳未満の障害者のときは相続税の額から一定の金額を控除します。亡くなられたお父様が障害者手帳をお持ちであるかどうかは、相続税の障害者控除には関係がないこととなります。「相続人」が障害者の場合に適用されます。したがって、今回のご相続では、障害者控除の適用の対象とはなりません。
相続税の障害者控除は、①国内に住所を有していること(居住無制限納税義務者)、②法定相続人であること、③85歳未満であり、かつ、障害者に該当すること、の要件を満たすことが必要です。相続人に障害者控除の適用できる人がいる場合、障害者控除の額は、満85歳になるまでの年数1年につき10万円(特別障害者は20万円)です。満85歳に達するまでの年数計算の過程で1年未満の端数があるときは、これを1年として計算していきます。

 

(例) 障害者控除を受けられる相続人が、相続開始時に55歳6ヶ月の場合
  85歳 - 55歳6ヶ月 = 29歳6ヶ月 → 30年
  一般障害者控除の額 : 10万円×30年=300万円
  特別障害者控除の額 : 20万円×30年=600万円

 

障害者控除の額が、その相続人の相続税額を超えることがあります。その場合、控除しきれない部分の金額を、同一の被相続人から相続によって財産を受ける人のうち、障害者控除を受ける方の扶養義務者(配偶者、直系血族および兄弟姉妹等)の相続税額から控除することができます。なお、障害者控除の適用にあたっては、相続発生時に手帳交付を受けていない場合であっても、相続税の期限内申告書提出時点で手帳交付を受けていることや、一定の要件を満たせば障害者控除の適用対象者となることがあります。

 

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