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一人暮らしの方の死亡後に必要な5つの手続きと安心できる生前対策

「一人暮らしをしているけれど、死亡後にどんな手続きが必要になるのだろう。」
「亡くなった後のことについて誰にも頼らなくてよいように準備しておきたい。」

一人暮らしをしているけれど身寄りがなくご家族やご親族の支援を受けられない場合、死亡した後の手続きはどうなるのかご不安のことでしょう。

亡くなられた方に相続人となるご家族がいらっしゃれば、通常は死亡後の手続きについてはご家族が進めていくことになります。一方でご家族が遠方に住んでいる、あるいは負担を掛けたくないなどの理由で、死亡後の手続きについてもご自身で事前に決めておきたいとお考えの方も近年増えています。

本記事では一人暮らしの方の死亡後の手続きについて具体的にご説明いたします。死亡後の手続きについて生前にできる対策も参考にしていただければと思います。

1.一人暮らしの方の死亡後の手続き一覧

一人暮らしの方の死亡後の手続きを一覧で確認しましょう。死亡届の提出など役所への手続きや葬儀の手配、年金・健康保険の資格喪失手続き、各種契約の解約と医療費や家賃などの未払金の精算、遺品整理などが主な手続きです。

【死亡後に行う手続き】
①死亡届の提出
②葬儀・火葬の手配
③年金・健康保険などの資格喪失手続き
④各種契約の解約と未払金の精算
⑤遺品整理(住まいの片付け)

※遺産相続手続きについて詳しくはこちらをご覧ください。(当サイト内)
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2.死亡後に行う5つの手続き

一人暮らしの方が亡くなられると病院からご家族や身元保証人に、あるいは孤独死された場合は警察からご家族や連帯保証人に連絡が来ることになります。一人暮らしの方の死亡後の手続きは、相続人であるご家族が行います。相続人がいない場合はご親族や自治体が行なう場合もあります。

一人暮らしの方が死亡後に行う主な5つの手続きについてご説明します。

2-1.死亡届の提出

死亡を確認した医師から死亡診断書(または死体検案書)を受け取ります。死亡診断書と対になっている死亡届は、亡くなられた日から7日以内に、亡くなられた方の本籍地または死亡地にある市役所等へ提出しなければなりません。死亡届を提出すると火葬許可証が交付されます。

死亡届は親族や大家さん、地主、管理人に届出義務がありますので、万が一ご親族が手続きされない場合は大家さんなどが対応することになります。

図1:死亡届は死亡診断書と対になっている
死亡届は死亡診断書と対になっている

2-2.葬儀・火葬を行う

遺体は亡くなられてから24時間経過した後、葬儀を行ない火葬されます。一般的には死亡診断書を受け取ってから葬儀社を手配し、火葬の手続きを進める流れとなります。

ご親族がいない場合や連絡がつかない場合等は、自治体が火葬まで行うこともあります。ご親族が遺骨を引き取らない場合は自治体によって無縁仏として埋葬されます。

図2:亡くなられてから葬儀までのスケジュール
亡くなられてから葬儀までのスケジュール

2-3.年金・健康保険などの資格喪失手続き

亡くなられた方が年金受給者であった場合は、年金の給付を停止させるために「年金受給権者死亡届」を提出する必要があります。健康保険や国民健康保険、後期高齢者医療保険に加入されていた場合は「資格喪失届」を提出して保険証を返却します。

これらの年金・健康保険等の手続きは、亡くなられてから14日以内に行います。その際には前項の死亡診断書や火葬許可証等の一定の書類を添付して手続きを行います。

なお、国民健康保険や後期高齢者医療保険に加入されている方が亡くなられた場合、一定の手続きを経て葬儀を執り行った方に対して葬祭費として3万円~7万円が支給されます。

2-4.各種契約の解約と未払金の精算

亡くなられた方が契約していた賃貸契約や公共料金、携帯電話、インターネット、NHK受信料、クレジットカードなどは解約の手続きが必要です。手続きに期限はありませんが、解約手続きを完了するまで継続して費用が発生してしまいますので、なるべく早く手続きを行う必要があります。

賃貸住宅や公共料金、通信費、クレジット契約は分かり易いですが、亡くなられた方が百貨店の友の会やスポーツジム等の会員になっている可能性も考えられるため、亡くなられた方の通帳から過去のお金の支出を見て判断する必要もあります。

また医療費の支払いや家賃などの未払い分を精算しなくてはなりません。相続人や連帯保証人ではない遠い親戚の方に支払い義務はありませんが、未払いはトラブルとなる可能性があります。

2-5.遺品整理

一人暮らしの方が亡くなられるまで住んでいた部屋の片付けを行います。具体的には家財道具や日用品などの整理と処分です。特に賃貸の場合は速やかに部屋を片付けて明け渡しをしなくてはなりません。遺体の発見が遅れた場合には部屋の特殊清掃などが必要になるケースもあります。

注意点として、経済的価値がある遺品は相続財産なので、相続人でない方が勝手に処分することは認められていません。家庭裁判所に「相続財産清算人」を選任してもらう必要があります。「相続財産清算人」は相続人がいない場合に、相続財産の清算を行う人のことです。

※相続人がいないときの相続手続きの流れについて詳しくはこちらをご覧ください。(当サイト内)
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3.一人暮らしの方の死亡後の手続きは生前対策できる

一人暮らしで身寄りのない方や頼れるご家族がいない方、死亡後の手続きでご家族の手を煩わせたくないとお考えの方に向けて、生前にできる対策をご紹介します。一人暮らしの方の死亡後の手続きは、自治体への各種届出や葬儀・火葬の手配、住居の片付けなど相続手続き以外の事務手続きと遺産相続手続きに分けられます。

3-1.死後事務委任契約

死後事務委任契約は、死亡後に発生する事務手続きを、信頼するご親族や知人、あるいは司法書士や行政書士などの専門家に委任しておく生前準備です。ご自身が望む葬送がある方も叶えることができます。

委任できる内容は、自治体への死亡届等の提出、葬儀・お墓の手配、医療費や公共料金などの支払いから遺品整理等です。様々な事務手続きについて契約できますが財産の承継に関しては効力を持ちませんので遺言書を作成しておく必要があります。

(参考)任意後見契約
任意後見契約とは、将来認知症などで判断能力が低下したときに備えて、財産管理やご本人の生活、療養看護に関する事務を代わりにおこなう任意後見人に依頼しておく契約です。

 

代理権を与えることのできる内容は、預貯金の管理や年金の受け取りなど財産管理や契約などの法律行為に限られます。身の回りのお世話や介護、医療行為の承諾等は対象外になります。任意後見契約はご存命の時の契約となりますので、葬儀費用の支払いなど死後の手続きは契約できません。別途、死後事務委任契約を結んでおく必要があります。

3-2.遺言書

一人暮らしの方に相続人がいる場合は、相続の優先順位があります。配偶者は常に相続人となり、第一順位はお子さん、第二順位はご両親、第三順位は兄弟姉妹になります。

相続人がいない場合は、利害関係人の申立てにより相続財産管理人が選任され、債権者などへ弁済し特別縁故者に財産分与された後、最終的に相続財産は国庫に帰属します。

相続財産がある場合は、引き継ぐ方を遺言書で指定しておくことをおススメします。遺言書を作成することで、相続人以外の第三者にも財産を渡せるなどご希望を叶えることができます。確実に遺言の内容を実行するためには公正証書遺言の形式がよいでしょう。

※おひとりさまの終活について詳しくはこちらをご覧ください。(当サイト内)
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4.まとめ

一人暮らしの方の死亡後の手続きは、市区町村役場への届出から葬儀・お墓の手配、遺品整理等の手続きがあり、通常は相続人が行ないます。身寄りがない方やご家族と疎遠な方、ご家族がご高齢等の理由で周りに頼らずご自身で事前に準備しておきたい方は死後事務委任契約を結んでおきましょう。いざ手続きが必要となったときに金銭的にも負担を掛けずにご自身の想いを実現できます。

遺産相続手続きは、相続人がいれば相続人に引き継がれます。相続人がいない場合や相続人でない第三者に財産を譲りたい場合は遺言書を作成しておきましょう。預貯金の解約や名義変更などを円滑におこなうことができます。

一人暮らしの方の死亡後の手続きについては生前対策をすることによりトラブルが回避ができ、何より安心です。一人暮らしの方の死亡後の手続きについてご不安のある方は相続に強い専門家にご相談されることをおススメ致します。

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