お財布にあった電子マネーは相続税の対象!少額財産の考え方のまとめ

  • 相続税

お母さまが亡くなられてお財布の中身を確認していると、電子マネーとして使用していたカードが数枚見つかりました。
「電子マネーって、そもそも相続の対象なの?どう扱えばいいだろう?」

それぞれ電子マネーは少額だから相続とは関係ないだろう・・・と考えて、省いてしまいがちですが、亡くなられた時点で多少なりとも残額が残っていれば、それは相続財産として考える必要があります。

高額な金額がチャージされているわけではないことも多いですが、実際に相続税の計算をするにあたって電子マネーをどのように扱えばよいのかについてご説明していきます。

1.電子マネーの残高は相続税の対象

最近は電子マネーカードの種類も増え、交通系やショップ系、スーパーマーケット系など様々な電子マネーカードがあります。
一人で複数枚持っていて、それぞれにチャージされていることも珍しくありません。お母さまが亡くなられ場合、お母さまのお財布に残されていた現金は相続財産となるのと同様に、電子マネーも亡くなられた方の現金がカードにチャージされているだけですので、相続財産となり相続税の対象となります。

2.電子マネーの相続は各社の規約を確認

電子マネーにはいろいろな種類がありますが、各社規約を確認すると、電子マネーの残高を相続できないものもあります。今一度、どの電子マネーが見つかったのか確認し、相続できるのか、それとも処分するしかないのかなど、チェックしましょう。

2-1.電子マネーは現金と同様に扱う

電子マネーは、現金をチャージして電子化しただけのものです。現金と同じ価値ですので、一般的には取り扱いも現金と同様になります。
例えば、亡くなられた方の交通系電子マネーとして2万円の残高があった場合、2万円の現金として相続財産に含めることになります。

図1:電子マネーの残高は現金として扱うイメージ

2-2.主な電子マネーカードの一覧表

亡くなられた方のお財布に入っていた様々なカードのうち、いったいどれが電子マネーカードなのか、良くわからないこともあります。現金と同様に取り扱えるものは全て該当しますが、主に次のような電子マネーカードがあります。一覧にまとめましたので参考としてご活用ください。

表1:主な電子マネーカード一覧表 ※引用元は下部に記載

2-3.残高を引き継げるか否かは規約を確認

電子マネーには発行する電子マネーカードごとに規約があり、亡くなられたあとに残高を引き継げるものと引き継げないものがありますので、注意が必要です。一部の電子マネーカードは、その発行会社の規約に基づくと、利用者が亡くなられた時点で残高が失効すると定められているものがあります。このような場合は現金の価値としても無くなり、失効しますので相続税の対象財産にもなりません

電子マネーはチャージの上限も少額に設定されており、利用者が亡くなられた場合を想定した内容が規約そのものに記載が無い場合が多いことも実情ですが、念のため該当の電子マネーカードの規約をご確認ください。

3.電子マネーは少額資産!相続税の対象かチェック

電子マネーも相続税の課税対象となるため、他の財産と合わせて基礎控除額を超えるようであれば相続税の申告が必要です。ゆえに、相続が発生した際には、亡くなられた方が所有されていた電子マネーの残高についても、もれなく確認する必要があります。

ただし、電子マネーカードにチャージできる限度額は概ね2万円~10万円と比較的小額のため、電子マネーを除く財産の総額が基礎控除額を超えている、またはギリギリ超えそうな場合ではない限り、慌てて確認をする必要はありません。

基礎控除額を超えない場合には、規約を確認して相続できるかどうかがポイントとなります。

※基礎控除額について詳しくは、こちらを参考にしてください。

図2:基礎控除額を超える場合は相続税の申告が必要なイメージ

4.電子マネーの相続手順

交通系電子マネーなどは、所定の相続手続きをおこなうと、預け金と残高の返金が受けられます。駅にあるみどりの窓口などで下記の相続手続きに必要な書類を持参して手続きを行いましょう。

・交通系電子マネーカード
・利用者様(亡くなられた方)の亡くなられた事実がわかる除籍謄本
・利用者様との関係がわかる戸籍謄本
・引き継がれる方の身分証明書
・引き継がれる方の認印

図3:交通系電子マネーの相続方法

スーパーなど買い物でよく利用する電子マネーカードなどに関しては、残高の返金は受けられず、電子マネーカードを受け継いだ方がそのままカードを利用することになります。チャージの上限も少額な設定であり、記名式の電子マネーカードではないことも多く、返金を受けられないことが多々あります。

具体的な相続方法については、各社の規約をご確認いただくことになりますが、きちんとした規約がなく、相続に関する定めがないことがほとんどです。

5.電子マネーの残高確認方法

交通系電子マネーカードであればJRなどの多機能券売機、量販店系電子マネーカードなどはコンビニやスーパーなどに設置されているマルチメディア機等で簡単に確認することができます。

簡単に電子マネーの残高を確認しようとして、あえて電子マネーカードを使ってお買い物をすることは、相続財産である現金を勝手に使ってしまったと見なされるため注意しましょう。

図4:マルチメディア端末で電子マネーの残高を確認するイメージ

6.マイルは相続できる!

電子マネーカードとは少し意味合いが異なりますが、マイレージカードのマイルは所定の手続きをふむことによって相続人が引き継ぐことが可能です。

ポイントカードのポイントはそのほとんどが相続できませんが、マイルは相続できるため、マイレージカードをお持ちの場合には、きちんと手続きをしましょう。手続き方法は航空会社によって異なりますので、それぞれのホームページなどでご確認ください。

ただし、亡くなられてから6ヶ月以内に書類を提出するという期限が定められている場合もあるのでその点にお気をつけください。ちなみに、マイルは相続税の課税対象にはなりません。

7.さいごに

残高が失効してしまう電子マネー以外は、電子マネーの残高が相続税の課税対象となる可能性があるため、きちんと残高を確認する必要があります。

規約に相続に関する記載がない電子マネーカードも多数あるため、相続のお手続きがうやむやになってしまう現状もありますが、残高がはっきりしている場合には、現金と同様に計上しておくことが最善となります。

 

※本記事で引用しているICカードは各社の登録商標です。
「Suica」https://www.jreast.co.jp/suica/
「ICOKA」https://www.jreast.co.jp/suica/
「PASMO」https://www.jreast.co.jp/suica/
「スターバックスカード」https://www.jreast.co.jp/suica/
「タリーズカード」https://www.jreast.co.jp/suica/
「図書カード」https://www.jreast.co.jp/suica/
「WAON」https://www.jreast.co.jp/suica/
「楽天Edy」https://www.jreast.co.jp/suica/
「ゆめか」https://www.jreast.co.jp/suica/

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