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アパートの相続するときのおススメの分割方法と相続税のメリット

ご両親が相続対策の一環としてアパート経営を始められたという方が近年は増えています。

「お父さんがアパートを財産として残すから…。と話しているけれど、相続人3人でどうやって分けたらよいのか困るわ。」
「アパートは財産としての価値が高そうだけど、相続税は払わなくていいの?」

アパートには居住者の方がいますから、簡単にやめてしまうという判断はできません。アパートの相続と、通常のご自宅の相続との違いはどのようなことでしょうか。

本記事では、アパートの相続の流れと相続人が複数いらっしゃる場合におススメの分割方法についてご説明いたします。

アパートを相続対策にとお考えの方のために、アパートが相続対策になる理由と注意点についても記載していますので参考になさってください。

1.アパートの相続手続き5ステップ

アパートの相続の流れは、ご自宅の相続の流れと同じです。相続が開始したら、まず遺言書の有無を確認し、相続人・相続財産の調査と確定、遺言書がない場合は遺産分割協議を行い、アパートを引き継ぐ方が決まったら不動産の移転登記(相続登記)をします。相続税申告が必要な方は、亡くなられてから10ヶ月以内に手続きをします。

【アパートの相続手続き5ステップ】

ステップ1:遺言書の有無を確認

亡くなられた方が遺言書を残されていたかどうかを確認します。遺言書が残されていた場合には遺言書の内容に従って引き継ぎます

 

ステップ2:相続人・相続財産の調査と確定

法定相続人(亡くなられた方の財産を相続する権利がある方)は誰なのかを確定します。また、相続財産についてもすべて把握します。万が一、負債が多い場合、速やかに相続放棄の決断をするためにも、調査と確認は大切なステップです。

 

ステップ3:遺産分割協議をする

遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議をおこない、相続財産の分け方を決定します。

 

ステップ4:相続登記をする

アパートを相続する方が決定したら、法務局で名義変更手続き(相続登記)をします。

 

ステップ5:相続税申告をする

相続税申告が必要な方は、亡くなられてから10ヶ月以内に申告・納税を行います。

図1:アパートの相続手続きを完了する5つのステップ

 

2.【おススメ順】アパートを相続する3つの遺産分割方法

遺言書がない場合には、相続人全員による遺産分割協議をおこない、アパートを含むすべての財産をどのように引き継ぐのかを決めます。アパートの分割方法をおススメ順に3つご説明いたします。

2-1.代償分割:アパートを相続する代わりに代償金を支払う

代償分割とは、特定の相続人がアパートを相続する代わりに、他の相続人に現金等を支払い調整することで分割する方法です。

長男がアパートを相続し、法定相続分を超える部分については代償金として長男の財産から現金等をお母さまや長女に渡します。ただし、長男に代償金を支払えるだけの資力が必要です。

また、将来の家賃収入分まで加味するのか、建物の寿命などを考えた修繕費用分を差し引くのかなど、相続人同士でしっかり話し合って納得できる内容を決めることが大切です。

図2:代償分割

2-2.換価分割:アパートを売却して現金で分ける

相続したアパートを売却して、現金で分割する方法です。アパートの売却手続きは、相続人代表者が行い、売却代金を遺産分割協議で決めた割合に応じて分割します。

売却にあたり手数料などの費用が別途発生します。また、売却益が出た場合には譲渡所得税の納税が必要になるなど、手続きが煩雑になります。立地条件の影響や売却時期のタイミングを計らなければならないことも難点です。

図3:換価分割

2-3.現物分割:財産を現物ごとに各々で分ける

現物分割とは、相続人が亡くなられた方の個々の財産をそのまま引継ぐ方法です。自宅・アパート・預金・株式など、財産ごとに相続人を決めて分割します。

例えば長男がアパートを相続し、次男は預貯金と株券を相続します。財産内容によっては金額のバランスが偏ることがあります。その場合は代償金の支払いと併用するなど、公平性を考慮する必要があります。

図4:現物分割

3.アパートの相続税

アパートを所有していると、相続対策になるという話を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。アパートを相続するときの相続税上のメリットをご説明します。

3-1.アパートは相続税評価額が下がる

土地や建物を第三者に貸している場合、相続税を計算するときの評価額が下がります。

アパートを売却したいと考えても、賃借人がいますので、その土地や建物を自由に使うことができないためです。

地域ごとに定められた「借地権割合」、全国一律30%と定められた「借家権割合」、建物の中で賃貸として利用している部分の割合である「賃貸割合」を用いて、評価額を減額することができます

3-2.小規模宅地等の特例を適用できる

小規模宅地等の特例とは、亡くなられた方が住んでいた土地、事業をしていた土地、貸していた土地について、一定の要件を満たす場合に相続税評価額を減額できる特例です。

アパートを相続する場合、小規模宅地等の特例により、200㎡までの土地の評価額を50%減額することができます

ただし、賃貸経営を始めて3年以上経過していること相続税の申告期限までアパートを保有していることが特例を適用する要件となっていますので、注意が必要です。

図5:3年以上の賃貸経営で特例が適用される

※小規模宅地の特例について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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4.アパートを相続を判断するための6つのポイント

アパートも上手に経営をしないと収益が出ませんので、後に「こんなはずではなかった」ということにならないように、想定できるリスクは事前に回避しておくことが重要です。アパートの相続を決める前に確認していただきたい6つのポイントをご紹介します。

図6:相続を後悔しないために確認すべき6つのことイメージ

4-1.ローン残債が残っていないか

収益不動産の場合、団体信用生命保険に加入していないケースが自宅不動産と比べると多くあります。


住宅ローンやリフォームローンを完済せずに所有者の方が亡くなると、ローン残債を債務として相続しなければなりません。ローンの残債の状況を確認して、月々の収入とローン返済のバランスから赤字経営になることはないか、事前に確認しておくことが重要です。

4-2.維持費はどのくらいなのか

アパート経営には大きな修繕費用以外にも、定期的なリフォームや清掃、浄化槽の点検費用、光熱費、保険料、固定資産税の支払いなど、様々な支出があります。

築浅物件であれば、建物や付帯設備の維持費はかかりにくく、築年数が経過すればするほど多くかかります。また、保険もアパートを維持するために必要な費用です。

任意となる地震保険に加入されていないケースは多いですが、昨今の想定しがたい天災への対策は可能な限りされておくとよいでしょう。

4-3.修繕計画は立てられているか

アパートは築年数が増えていくと高額な修繕費が頻繁にかかる場合があります。長期的な視点で修繕計画を立てて資金準備をしていなければ、いざ大規模な改修が必要となった場合に月々の収益だけではまかなえないケースがほとんどです。

数百万円規模の費用が必要になると、やむを得ず自己資金で大半を工面するような事態になりかねません。修繕計画がしっかりされていれば、空室を防ぐ効果にもつながり、入居率を上げるなどの期待にもつながりますので、修繕計画や積立金などを確認しておきましょう。

4-4.収益性は保てているか

空室が多い場合には何かしらの理由があると考えられます。例えば老朽化しているにも関わらず修繕されていない場合、付帯設備が古すぎる場合、周りに築浅の物件がある場合など、現時点で入居率が良くない場合に、将来入居率を上げていくことができるかどうか確認が必要です。
最寄駅からの利便性や、周辺の量販店事情なども加味して、不動産会社などに相談してみましょう。

4-5.家賃滞納や住人とのトラブルはないか

賃借人の家賃滞納が頻繁にあるような状態であれば、相続した後にも家賃の回収に手間がかかります。管理会社が契約されていてしっかりと手続きをしてくれれば良いのですが、ご自身でやることになるとその負担は大きくなります。

また、住人同士でトラブル等があれば、大家の役割として苦情や要望への対処をする必要があります。管理会社に全てを任せるとしても、まったく無関係というわけにはいきません。

管理会社に任せることが増えれば委託費用も増えますので、心構えとしてある程度の対応はご自身の役割の一つと考え、引き継いていくことも大切です。

4-6.確定申告の条件

一定額の賃貸収入が得られる場合、毎年、その収益に対して確定申告をおこない所得税の納税が必要となります。給与所得のある会社員の方でアパートからの取得が年間20万円を上回る場合は確定申告が必要です。

家賃収入は一般的に副業には当たらないとされていますが、国家公務員、地方公務員の方の場合の兼業については国家公務員法により、原則、禁止されています。公務員の方の場合は、表1のような条件がありますのでご注意ください。
一定の規模以上の賃貸業を営む場合は、個人事業主と判断され、兼業禁止規定に抵触します。

表1:公務員の兼業の主な条件

5.アパートの相続後、すぐに対応すべき2つのこと

アパートの相続をしたらやるべきことが2つあります。入居者からの賃料振り込みを滞らせないための口座変更、亡くなられた方の家賃収入に対する準確定申告です。

5-1.賃料振込み口座変更を1ヶ月におこなう

口座の名義人が亡くなられたことを金融機関に伝えると口座が凍結され、全ての取引が停止されます。アパートの賃料の振込先を亡くなられた方の口座にしている場合、口座凍結をされると賃料の振り込みがされなくなります。

金融機関の口座を凍結する前に、振込口座を変更しアパートの居住者に通知することが大切です。

5-2.亡くなられた方の準確定申告を4ヶ月以内におこなう

準確定申告とは、亡くなられた方のその年における、亡くなられた日までの賃料を含む収入に関する確定申告です。

準確定申告は亡くなられたことを知った日の翌日から4ヶ月以内が期限とされています。そして、準確定申告で納税した税金は相続税の債務として差し引くことができます。

※準確定申告について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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6.まとめ

相続人が複数いらっしゃる場合には、生前にどなたがアパートを引継ぐのかをよく話し合っておくことが大切です。アパートの所有者であるお父さまに相続についてのお考えがあるのであれば、その想いを遺言に記す、またはご家族に伝えていただきましょう。

アパートの相続は、トラブルを避けるためにお一人が相続するか、売却するかのどちらかが理想です。

また、相続する方はアパート経営の準備をしたり、空室を無くす努力をするなど所有されている方と生前から対策を取っておきましょう。アパートを自主管理をされている場合は不動産管理会社に、売却を検討される場合は不動産仲介業者に相談することをおススメします。

アパートの相続が必要となる場合には、多くのケースで相続税の申告が必要となります。相続税を専門にしている税理士へ依頼すると安心です。

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