《相続放棄があった場合の相続税計算上の注意点》 - OAG税理士法人|市ヶ谷・札幌・埼玉・調布・名古屋・大阪・福岡の事務所

INHERITANCE相続相談

相続税

2022.09.16

《相続放棄があった場合の相続税計算上の注意点》

 先日突然の事故で私の弟が亡くなりました。弟は未婚で、父はすでに他界しておりま

 す。当初、弟の財産は母が相続すると思っておりましたが、母が財産はいらないと言いだ

 し、相続放棄を検討しています。私には弟の他に妹が一人います。もし母が相続放棄をし

 た場合、相続税申告で注意することはありますか。

 

 仮にお母様が相続放棄をされた場合、ご相談者様と妹様が相続人となります。ただし、

 相続税の計算上、相続放棄がなかったものとして計算される項目があるので注意が必要で

 す。例えば次のようなものが該当します。

 

 ・基礎控除の計算 

 ・相続税の総額の計算

 ・生命保険の非課税枠

 

 (例1)本ケースにおける基礎控除の計算 

  〇 3,000万円 + 600万円 × 1名 = 3,600万円

  × 3,000万円 + 600万円 × 2名 = 4,200万円 

 

 (例2)本ケースにおける生命保険の非課税枠

  〇 500万円 × 1名 = 500万円

  × 500万円 × 2名 = 1,000万円

 

  また、仮にお母様が受取人の死亡保険金があった場合ですが、生命保険金は受取人固有

 の財産のため、たとえ相続放棄をした場合でも受取りは可能です。ただし、相続放棄をし

 た人は生命保険金の非課税枠を使うことは出来なくなりますのでご注意ください。

  この他には、3年以内の生前贈与加算についても相続放棄があった場合は取扱いが異な

 ります。相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けていた相続人が相続放棄をした場

 合について、被相続人から遺贈により財産を取得していない場合は3年以内加算の必要が

 ありません。

 

 

※上記は一例ですが、相続放棄があった場合、相続税の計算は複雑になります。ご不明な

 点等ありましたらOAG税理士法人までお問い合わせください。