固定資産税 支払い方法
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固定資産税はどうやって支払う?お得で便利な支払方法をみつけよう!

「家を購入したので、これからは固定資産税を支払わなければならない。口座振替にしておけば、うっかり支払い忘れる心配もないし、一番確実かな・・・。でも、最近は税金も支払方法がいろいろ選べるみたいだし、お得で便利な方法を調べてみようかな?」

固定資産税は、不動産を所有する方に課税される税金で、毎年4月~6月ごろ、不動産の所在地を管轄している自治体(東京23区の場合は東京主税局)から納付書が送られてきます。

また、固定資産税は、1月1日時点の所有者に課せられる税金なので、1月2日以降に不動産を所有された場合には、その年の納付書が、新所有者の元に送られてくることはありません。このような場合、前所有者に課せられた固定資産税を、所有した期間で按分し、売買契約時などに清算する対応がとられます。

相続などで、所有する不動産が増え、固定資産税の負担が重くなってしまった!という方もいらっしゃるでしょう。納税額が大きくなればなるほど、お得で便利な方法を知っておきたいですよね。

この記事では、キャッシュレス化が進み、便利になっている固定資産税の支払い方、また、万が一支払えなかった場合の対処の仕方などをまとめています。利用できる支払方法は、自治体によって異なる場合がありますので事前の確認は必要ですが、支払方法を選ぶ参考にしていただければと思います。

1.固定資産税の支払方法は年4回の分割方式が基本

固定資産税の支払いは、年4回の分割方式が一般的で、期ごとに納期限が設けられています。東京23区の場合は各都税事務所、その他は、各市町村役場によって、納付期間と納期限がそれぞれ定められています。

分割ではなく、全期分を一括でまとめて支払うことも可能ですが、まとめたからといって、納税額が割り引かれるなどの有利な特典はありません。一括でまとめる場合、第1期の納期限に、1年分をまとめて支払うことになります。

表1:令和4年度納付期間と納付日(東京都の場合)

固定資産税の支払方法についても、都税事務所や市町村などの各自治体によって、利用できる方法が異なります。所有する不動産を管轄している各自治体の公式サイトなどを確認してみましょう。最近は、利用できる支払方法は増えており、ご自身の状況や要望に適した方法を選ぶことができるようになっています。詳細は2章で確認してみましょう。

【主な支払方法】
① 現金
② 口座振替
③ ペイジー
④ クレジットカード
⑤ 電子マネー(nanaco・WAON)
⑥ スマホ決済アプリ(PayPay・LINE Pay)

2.固定資産税の6つの支払方法

固定資産税の支払方法について、優先すべきポイントは人によって異なります。

金融機関や都税事務所、及び役所の窓口において現金で支払い、すぐに領収証書を受け取って安心したい、また、時間や場所を気にせず、パソコンやスマートフォンなどから人と対面することもなく、手軽に支払ってしまいたい、クレジットカードやスマートフォン決済を利用して、上手にポイントを貯めながら支払いたい、あるいは、その都度手続きをするのは面倒なので、口座振替の自動引き落としにしておきたいなど、人によって考えは様々です。

また、「この方法で支払いたい!」と思っても、自治体によっては利用できなかったり、思わぬデメリットがあったりと、選択するにも一苦労です。以下の一覧表で、まずはご確認いただければと思います。

表2:6つの支払方法

2-1.現金

最も一般的な支払方法は、金融機関や都税事務所の窓口、コンビニエンスストアにおいて、現金で支払う方法です。手数料はかからず、その場で発行される領収証書をすぐに受け取ることができます。一括納付以外は、納付する期の納付書のみ、支払うようにしてください。

たとえ納期限が過ぎていても、納付書は使えますが、コンビニエンスストアでの支払いはできなくなります。延滞金が発生した場合は、後から延滞金だけの納付書が届きます。また、納税証明書が必要な場合は、領収証書が必要となりますので、領収証書の控えは保管しておくことをお勧めいたします。

コンビニエンスストアでの支払いは、納付書1枚あたりの合計金額が30万円までと決められ、バーコードが付いた納付書でなければ支払えません。支払いを取り扱っている金融機関や、コンビニエンスストアについては、各自治体によって異なる場合がありますので事前にご確認ください。(納付書の裏面で確認できる場合があります。)

【現金による支払い】
①各市町村役場の窓口(東京23区は都税事務所)
②金融機関・郵便局の窓口
③コンビニエンスストア(バーコード付きの納付書に限る)

図1:コンビニエンスストアで現金で支払う

2-2.口座振替

納付書とともに送られてくる書面の中に、口座振替方法が詳しく記載された書面が同封されています。口座振替の申し込みは、一度おこなえば、継続的に口座振替での支払い(自動引き落とし)が可能となります。

登録した口座の預金残高が不足しないように注意しておけば、うっかり支払いを忘れるというようなことはなく、最も確実で安心な方法といえます。手数料はかかりません。

また、口座振替の申し込みをしてから、自動引き落としが可能となるタイミングが納期限に間に合わない場合は、納期限が過ぎてしまわぬよう、納付書での支払いをしてください。支払開始時期は、必ず確認するようにしてください。

表3:口座振替日と利用申込の期限について(東京都の場合)

【口座振替の申し込み方法】
①口座振替依頼書(兼自動払込利用申込書)を金融機関、もしくは都税事務所や市町村役場窓口へ提出
②納付書とともに送られてくるハガキサイズの口座振替依頼書を都税事務所や市町村役場宛に郵送
③各自治体ホームページなどの「Web口座振替申込受付サービス」を利用して申し込む

2-3.ペイジー

ペイジーマークの付いている納付書をお持ちの場合は、ペイジー支払いを利用することができます。ご自宅にいながら、パソコンやスマートフォンから、インターネットバンキング、またはモバイルバンキングを通じて支払うことができます。

また、インターネットバンキングなどを利用していなくても、ペイジー対応が可能なATMから簡単に支払うことができます。 ペイジー支払いは、納付書に記載されている「収納機関番号」「納付番号」「確認番号」「納付区分」という4つの番号を入力し、納税内容を十分に確認した上でお支払いください。時間を気にせず、支払うことができるのが最大のメリットです。

【ペイジーによる支払方法】
①インターネットバンキング、モバイルバンキングを利用中の方であれば、金融機関のホームページより支払い可能
②金融機関・郵便局・自治体に設置されているペイジー対応可能なATMを利用して支払うことも可能 (コンビニエンスストアのATMは対象外となります。)

図2:金融機関のATMでペイジー支払いする

【ペイジーで支払いをするときに必要となる4つの番号】
・収納機関番号 (各市町村によって提示、東京都の場合は「13001」)
・納付番号 (数字12桁)
・確認番号 (数字6桁)
・納付区分 (数字3桁)

2-4.クレジットカード

すべての自治体が、クレジットカード払いに対応しているわけではありませんが、対応している自治体であれば、パソコンやスマートフォンから、専用支払いサイトにアクセスしてクレジットカードで支払うことが可能です。

クレジットカード支払いのメリットは、いつでもどこでも、ご自身の都合のよいときに支払い手続きができること、クレジットカードなので分割払いも可能なことです。また、クレジット決済をした日と、実際の引き落とし日には差が生じるので、決済日には資金が不足していても、引き落とし日までに用意すれば良い点もメリットといえます。

取り扱い可能なクレジットカードは限定されており、自治体によって税額の上限も定めています。東京23区の場合であれば、100万円を超える納付書については支払えないことになっています。

また、1万円に付き73円の決済手数料が加算されますが、利用されるカードによって、ポイントが付与されますので、ポイント還元率と手数料を比べて、手数料の方が高くなるようであれば、別の支払い方法を選択するのがよいかもしれません。

自治体や金融機関の窓口、コンビニエンスストアでは、クレジットカードによる支払いはできません。また、クレジットカード払いは取消ができないことにも注意が必要です。

【クレジットカードによる支払方法】
①各自治体のクレジットカード専用支払サイト
②Yahoo!JAPAN 公金支払いサイト

図3:スマホでクレジットカード支払いをする

※固定資産税のクレジットカード払いについて詳しくはこちらをご覧ください。(当サイト内)
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2-5.電子マネー(nanaco・WAON)

電子マネーを利用して、コンビニエンスストアで固定資産税を支払うことができます。電子マネーにチャージして、nanacoであればセブンイレブン、WAONであればミニストップで支払うことが可能です。

それ以外のコンビニで支払えないのであれば、あまりメリットはないかも、と思われるかもしれませんが、チャージをクレジット機能でおこなえば、所定のポイントが付与され、お得なのです。クレジットカード一体型の電子マネーを使うことがポイントです。しかし、チャージ金額の上限額は5万円分までとなっているので、それ以上の税額の場合は利用できません。

2-6.スマホ決済アプリ(PayPay・LINE Pay)

スマホ決済サービスのPayPay、LINE Payなどを利用して、固定資産税を支払うキャッシュレス化が進んでいます。2020年6月から、東京23区内のみ対象ですが、スマホ決済アプリでの支払いが可能となりました。

自宅にいながら、アプリの「請求書支払い」を選択して、納付書のバーコードをスキャンし、読み取るだけで支払うことができ、手数料もかかりません。納付書1枚あたりの合計金額が30万円までであれば、支払い可能です。また、PayPayでの支払いは、ボーナスポイントが付与され、さらにお得です。 図4:スマホ決済アプリで支払う

3.固定資産税を支払ってお得にポイントを貯める方法

固定資産税は、ある程度まとまった金額になるため、少しでもお得に支払いたいと考える方も多いでしょう。スマホ決済やクレジットカードのポイント還元を受けられれば、なお更うれしいですよね。固定資産税を支払ってポイントが貯まる3つの方法をまとめてみました。

3-1.スマホ決済は手数料不要でポイントが貯まる

PayPay・LINE Payなどのスマホ決済は、決済手数料が不要でポイントが貯まります。ポイント還元率は、アプリの利用状況により、現在は最大3%となっており、お得です。ポイント還元率(0.5%~3%)は、たびたび変更されるので、利用されているスマホ決済アプリで随時ご確認されることをお勧めいたします。

3-2.クレジットカードのポイントが手数料より高いとき

クレジットカードで支払う場合には、支払額に応じたポイントが付与されます。しかし、決済手数料(自治体によって異なる)がかかるので、クレジットカードのポイント還元率が決済手数料を上回る場合の差額分がお得ということになります。

3-3.電子マネーへクレジットカードチャージしてポイントを貯める(手数料不要)

クレジットカード払いの手数料をできることなら支払いたくない方は、クレジットカードから電子マネーにチャージして、支払い可能なコンビニエンスストアで電子マネーを使って支払う方法があります。

現金チャージで電子マネー支払いをすると、ポイントは付与されませんが、クレジットカード一体型の電子マネーで、クレジット機能を利用してチャージした分にはポイントが付与されます。支払いは、電子マネーなので手数料もかかりません。

注意点として、クレジットカード会社によっては電子マネーへのチャージにはポイントが付かない場合があります。利用する電子マネーとクレジットカードの規約を確認しておきましょう。

4.納期限までに支払えないとき延滞金がかかる

固定資産税を年4回の納期限までにそれぞれ納めなければ延滞金がかかります。延滞金は、納期限の翌日から完納した日までの日数に応じて計算されます。延滞金にかかる年率は、年によって変動しますが、令和4年11日以降は下記の割合になっています。

表4:令和 4年1月1日以降の延滞金の率

4-1.延滞金の計算例

固定資産税の金額が20万円、納期限が令和4年3月1日だったにも関らず、うっかりしていて納付日が令和4年4月30日になってしまった場合、下記のような計算がなされ、延滞金がかかることになります。

納期限の翌日から1ヶ月を経過する日までの期間(令和4年4月1日まで)
20万円×31日×2.4%÷365日=408

 

納期限の翌日から1ヶ月を経過した日以降の期間(令和4年4月2日~30日まで)
20万円×29日×8.7%÷365日=1,382円

 

408円1,382=1,790
100円未満切り捨てなので延滞金は1,700円になります。

4-2.納期限を過ぎた場合の支払方法

納期限を過ぎた場合、コンビニエンスストアでは支払うことができません。現金で納付する場合、郵便局を除く金融機関、もしくは自治体の窓口で支払うことになります。クレジットカードやスマホ決済アプリで納付できる場合があります。延滞金がかかる場合は、後日、延滞金だけの納付書が送付されてきます。自治体により対応が異なりますので確認が必要です。

5.納期限までの納付が難しい場合の対処法

固定資産税を納期限までに完納しないときで、督促状を受け取ってもなお納付しないときは、財産の差し押さえ等の滞納処分がおこなわれることがあります。どうしても納期限までに支払えない場合は、納税通知書をお手元に用意して自治体に電話、または窓口で直接相談をするようにしましょう。

原則として、納期限までに自治体の窓口などに申請することにより、税額の減免や、支払い猶予が認められる可能性があります。


新型コロナウイルス感染症の影響により、納税が困難な場合にも、固定資産税の減免、もしくは徴収猶予の申請ができます。収入の減少率などに要件がありますので、詳細は該当する自治体の窓口に確認してみましょう。

※固定資産税の負担増を回避する特例措置について
令和3年は、3年に1度の不動産評価の見直しの年にあたります。令和3年に限り、負担調整措置がとられ、税額が増加する土地について、前年度の税額に据え置く特別措置がとられます。

5-1.税金の減額・免除の申請

固定資産税の減額・免除の対象となるものは、自治体ごとに決められています。減額率も異なりますので、必ず要件を確認しましょう。「収入が低いから」という理由だけで、減免が認められることはありません。申請の際、生活保護受給証明書や、被災の事実を証明する書類(被災証明書)などの添付が必要です。

【減額、免除の対象となるもの】
 1. 生活保護法により、既に生活扶助などを受けている方の所有する固定資産
 2. 公益のために直接専用する固定資産
   例:町内会事務所、民間公園、介護施設、各種学校等
 3. 台風、津波、地震、火災などの災害等により全壊、半壊、床上浸水など、
  その固定資産に大きな損害を受けた場合(被災の程度に応じて減免)
 4. 上記の他、「特別な事情」があると認められた固定資産
   例:相続により物納後、所有権移転登記がなされた資産、個人保有の神社等の敷地等

5-2.税金の徴収猶予の申請

災害・病気・事業の休廃業などの特別な事情があり、固定資産税を期限までに完納できないときは、徴収猶予の申請をします。

申請が認められると、1年以内の期間に限り、一括での納付が猶予され、分割などによる納付ができます。新たな督促や差し押さえが行われることはありません。

徴収猶予が認められた期間中の延滞金の全部、または一部が免除されます。申請の際は、給料明細や源泉徴収票、確定申告書や法人の決算書など、収支の状況が分かる書類を添付します。

【猶予して分割納付が可能と判断される特別な事情】
   1. 財産について、震災、風水害、火災その他の災害を受け、または盗難にあったとき
   2. 納税者本人や同一生計親族が病気にかかり、または負傷したとき
   3. 納税者の行っている事業が廃止、もしくは休止したとき
   4. 納税者の行っている事業に著しい損失があったとき
   5. 詐欺や横領、取引先の倒産やリストラなど1~4に類する事実があったとき
   6. 本来の期限(法定納期限)から1年以上経過した後に、申告や納税通知書などにより
  納付すべき税額が確定したとき

6.まとめ

選択の幅が広がった固定資産税の支払い方法のことが分かりましたでしょうか?

地方税である固定資産税は、自治体によって利用できる支払方法に違いがあるので、まずは該当する自治体の情報を把握することが大切です。支払い忘れが心配な方は、口座振替にするのが一番よいでしょう。

口座振替以外は、年4回の納期限のたびに支払方法を選ぶことができますので、状況に応じた支払方法を選択されるとよいでしょう。賢くお得に、ポイントを貯めながら支払う方法を研究していただければと思います。

土地・不動産を所有している限り、毎年、必ず固定資産税は支払わなければなりません。どうしても支払いが難しい状況に陥った場合には、放置しないで、早めに自治体の窓口に相談することをお勧めいたします。

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