ふるさと納税の仕組み、手続きの流れ、注意点を再確認 - OAG税理士法人|市ヶ谷・大阪・調布・埼玉・福岡の事務所

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ふるさと納税の仕組み、手続きの流れ、注意点を再確認


ワンストップ特例申請は毎年1月10日(必着)まで!


7月末に公表された「令和3年度ふるさと納税に関する現況調査」(総務省)では、令和2年度の納税受入額は約6,725億円(対前年比:約1.4倍)、件数は約3,489万件(対前年比:約1.5倍)と、金額・件数は共に過去最高となりました。納税額や利用者が年々増え続け、テレビや雑誌でもよく取り上げられています。「これからふるさと納税をしてみよう!」と思われている方に、その魅力や制度について解説致します。

 


ふるさと納税とは


「ふるさと納税」とは、生まれ育ったふるさとや応援したい都道府県・市区町村に対する寄付の通称です。手続きも簡単で、インターネットですぐに申し込むことができますし、いろいろな「まとめサイト」から寄付の金額と返礼品を決めて手続きすれば、初めての方でも数分程度で完了できます。

 


ふるさと納税の魅力


① 寄付する自治体を自分で複数選べる

ふるさと納税は、制度に参加している自治体なら、どの自治体にも行うことができ、同一自治体に複数回寄付することも可能です。返礼品が品切れになると募集を中止することがありますが、複数の自治体に申し込めますので、同じような返礼品を入手できる可能性はあります。ただし、ワンストップ特例を活用する場合は、5自治体までです。

 

②寄付の使途を指定できる

寄付金の使い道は、まちづくりや災害復興支援など自分が希望するものを指定できます。自治体ごとの内容は、各自治体のふるさと納税サイト等でご確認ください。

 

例えば、福岡市では、以下のような支援先を指定できます。

・新型コロナウイルス対策 ・子どもの教育環境
・美術館、博物館、図書館 ・都市景観、公園整備…他、多数

 

③返礼品がある

ふるさと納税の醍醐味は、やはり返礼の特産品が届くことです。肉や魚介類、くだもの、加工品、工芸品、旅行など、さまざまな返礼品があり、寄付金額に応じて選ぶことができます。

 

④自己負担額は実質2,000円

ふるさと納税は、手続きをすると原則として寄付した金額から2,000円を超える金額が所得税と住民税から全額が控除されます。「ふるさと納税をすると2,000円で、いろいろな特産品が貰える」といわれているのは、このためです。

 


ふるさと納税をした場合の所得税と住民税


①ふるさと納税による控除額には上限がある

ふるさと納税で注意したいのは、上限枠です。寄付した全額の控除が受けられるわけではなく、収入や家族構成に応じた上限枠があります。医療費控除や住宅ローン控除など、他の控除を受けていると、その分だけ所得税・住民税も減りますから、ふるさと納税の上限枠も減ることになります。

 

【表1】会社員の年収・家族構成別の上限枠

 

②会社員以外の方は住民税の約2割を目安に 

会社員以外のフリーランスや個人事業主の方は【表1】は参考になりませんので、ご自身の確定申告等をベースに住民税を把握してください。その20%が上限となります。

 

算出方法は、下記の通りです。

▶事業所得=総収入額-必要経費(仕入れ・人件費など)
▶住民税=事業所得×税率-控除額
▶ふるさと納税の限度額目安=住民税×20%

 

③還付されるのは所得税の一部

【表1】では、年収600万円で独身の方は上限額が77,000円になり、77,000円をふるさと納税した場合には、2,000円を除いた75,000円が控除されます。ただし、振り込まれるのは控除の全額ではなく所得税の一部のみで、該当する税率(5% ~45%)に応じて金額が決まります。

 

④住民税は翌年の税額から控除

住民税は、今年の年収に応じて来年6月から1年間の税額が決まります。ふるさと納税をすると、決まった住民税額から「(ふるさと納税の金額ー2,000円)÷12」が毎月控除されます。つまり、ふるさと納税(寄付)は、「寄付金相当額だけ税金を前払いした」=「住民税が寄付金相当額だけ安くなる」ということができます。

 

また、ふるさと納税を「ワンストップ特例」で申請した場合は、所得税の還付はなく控除額の全額が翌年の住民税から免除され、「確定申告」をした場合はその割合に応じて住民税が免除されます。手続き方法については下記を参照してください。

 

⑤ふるさと納税の有無による所得税と住民税

⑴ふるさと納税をしない場合の所得税と住民税

ふるさと納税をしない場合は、今までどおり所得税と住民税を支払います。

 

【年収600万円の独身会社員の場合】

 

⑵ふるさと納税をした場合の所得税と住民税

ふるさと納税をした場合は、次のように所得税と住民税を支払います。

 

【年収600万円の独身会社員の場合】※ワンストップ特例

 

 


ふるさと納税の控除を受ける手続き


ふるさと納税で、控除を受ける手続きには、「ワンストップ特例」と「確定申告」の2つがあります。

 

①便利なワンストップ特例を利用する条件 

・会社員で1カ所給与かつ年収が2,000万円以下
・他に医療費控除や住宅ローン控除等の確定申告が無い
・1年間に寄付した自治体が5か所以下

・ワンストップ特例の申請書を提出

 

ワンストップ特例は確定申告が不要な便利な制度ですから、会社員の方にお勧めです。また、所得税の還付が利用できないため、その分も含めて住民税から控除されます。

 

②ワンストップ特例を利用できない方は確定申告で

確定申告をすれば、すぐに精算できます。確定申告書の作成は税理士に依頼するか、e-taxなどを使って自分でも行えます。

 


ふるさと納税の上限金額以外の注意点


①ふるさと納税ができる枠は翌年に持ち越せない

ふるさと納税の上限金額(年収が600万円予定の独身会社員なら、上限金額は7万7,000円)は1年単位の暦年で設定されていますので、今年の枠は12月末までしか利用できません。

 

②住民税の非納税者や枠が残っていない人は利用できない

ふるさと納税は寄付金額を所得税や住民税から戻す制度のため、これらの税金を納めていない被扶養者の主婦や学生などは制度の対象外で、お得な状態にはなりません。

 

③名義が違うと控除されない

ふるさと納税に対する控除は、実際に寄付をした方のみが対象です。例えば、家族が自分名義で行った寄付の控除は、その家族が対象で、所得税や住民税を支払っていない被扶養者だった場合でも、扶養者が控除を受けることはできません。

 

④住宅ローン控除との併用は可能だが上限枠に注意
年末調整で住宅ローン控除を行うと所得税から税金が戻ってきますが、所得税を超える分は住民税から戻ってきます。その場合、ふるさと納税の上限枠が下がりますので、注意が必要です。

 

また、住宅ローン控除を受ける初年度は確定申告が必須で、確定申告をする年にはワンストップ特例が利用できませんので、手続きを間違えないようにしましょう。

 

⑤ 返礼品は一時所得の対象
ふるさと納税の魅力でもある返戻品は「一時所得」に該当します。返戻品が合計で50万円を超えると課税対象になり、返礼品を受け取った年の収入として確定申告等を行う必要があります。たくさんふるさと納税をしたい方は、お気をつけください。

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