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連結納税制度の目的と制度導入の動向
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導入に伴うメリット・デメリット


連結納税制度は一度採用すると原則として取り消すことができません。そのため、連結納税制度を導入するか否かを決定するには、この制度を導入することによるメリットとデメリットを総合的に勘案し、慎重に判断しなければなりません。


■デメリット

Q6.連結納税制度における連結子法人の時価評価によるデメリットとはどういうことでしょうか、時価評価制度の概要を含めて教えて下さい。

A.連結納税を採用する場合には、連結納税の開始の直前において、連結子法人が保有する一定の資産に対して、時価評価をする必要があります(法法61の11、61の12)。よって、含み益がある資産を保有している場合には、単体申告最終事業年度で課税されるデメリットが発生することになります。

連結子法人に時価評価を行うのは、連結納税制度と単体納税制度の納税単位の違いを考慮して、単体納税制度における含み損益を清算してから連結納税制度を開始するためであると考えられています。

これに対して、連結親法人の保有する資産については、連結納税グループを連結親法人が中心となる一つの企業体とみなしているため、時価評価の対象外とされているようです。

ただし、下記の子法人については、租税回避の恐れが少ないため、時価評価の対象から除外されることになっています。(法法61の11@、61の12@)

a 連結親法人を設立した株式移転に係る株式移転完全子法人
b 適格株式交換により100%子法人となった法人
c 長期保有の子法人等
・ 長期保有子法人(連結親法人による100%支配関係が5年超の法人)
・ 連結納税グループ内の法人により設立された100%子法人
・ 適格合併等により100%子会社となった法人のうち、長期保有子法人に準ずるもの
d 法令の規定による買取り等により100%子会社となった法人

時価評価の対象資産は、固定資産、土地(借地権等のように土地の上に存する権利を含みます。)、有価証券、金銭債権、繰延資産に限定されています。なお、重要性を考慮して、これらの資産のうちその含み損益が1,000万円又はその子法人の資本金等の額の2分の1のいずれか少ない金額に満たないものについては時価評価対象資産から除外されています(法令122の12)。 

なお、時価評価については、法人税だけではなく住民税および事業税の計算においても影響を受けることになります。例えば、連結子法人が所有する土地で含み益がある場合には、連結納税開始時にその含み益が実現し課税の対象となり、法人税、住民税や事業税に税負担が発生することになります。

特に土地については、減価償却資産のように連結納税開始後に減価償却により費用計上(損金算入)しないため、その土地を譲渡しない限り時価評価による税負担を解消することができません。
一方、含み損がある場合には、その損失が実現することになり、時価評価がメリットになることもあります。


Q7.連結子法人の繰越欠損金の切捨てによるデメリットとはどういうことでしょうか。


A.連結親法人が連結納税制度の開始前に有していた繰越欠損金は連結納税グループに持ち込むことができます。一方、連結子法人の繰越欠損金については、連結開始時に原則として切り捨てる必要があるため、この切り捨てによるデメリットが発生すると考えられます。

ただし特例として、連結親法人を設立した株式移転に係る株式移転子法人の有する繰越欠損金については、その繰越欠損金が実質的には連結親法人が有しているものと考えられることから、特例として連結納税グループに持ち込むことが出来ます(法法81の9)。

また、平成22年度の税制改正により、時価評価の対象外となる連結子法人については、その個別所得を限度として、繰越欠損金の使用ができるようになりました。繰越欠損金の取り扱いについて時価評価と同様と考えられています。

時価評価の対象外となる連結子法人の繰越欠損金については、、租税回避の危険性が少ないと考えられるためのようです。

平成22年度の税制改正により連結子法人の繰越欠損金の引継ぎが可能となり、連結納税制度の導入を検討する機会が増えましたが、すべての連結子法人について繰越欠損金を使用することができるわけではなく、また、使用することができる繰越欠損金はその会社の個別所得を限度とする制限があることを考慮する必要があります。

例えば、連結納税制度を採用した後に外部の会社の株式をすべて買い取り100%子会社にする場合や最近100%子会社化した会社がある場合において、その買収した会社が繰越欠損金を有するときは、その繰越欠損金は切り捨てられることになります。

なお、この連結納税制度は法人税のみにおける取り扱いであるので、繰越欠損金の切り捨ては住民税や事業税の計算においては行われません。


Q8.子会社株式売却時などに発生する株式の帳簿価額修正によるメリット・デメリットとはどういうことか教えて下さい。


A.連結納税制度においては、連結子法人の株式を売却する場合には、その連結子法人の利益積立金に基づいて、連結親法人の有する連結子法人株式の帳簿価額を修正することになります。

この修正は、連結納税制度における損失や利益の二重計上を是正するために行われるものです。本来連結納税制度は法人税についてのみ適用されるものであるため、住民税や事業税については、この帳簿価額修正の影響を及ぼすべきではありませんが、住民税や事業税の計算は法人税の計算結果に基づくため、結果として帳簿価額修正分の影響を受けることになります。

そのため、譲渡対象となる連結子法人が赤字体質の場合には、帳簿価額修正により譲渡損が減少するため、住民税や事業税の税額が増加することになります。一方、連結子法人が黒字体質の場合には、譲渡益が減少するため、住民税や事業税の税額を減少する結果となります。



Q9.連結納税制度の導入にあたり発生する事務負担やコストの増加について教えて下さい。


A.連結納税制度の導入にあたり、社内の人的コストは増えることになります。連結納税による申告作業は、連結納税グループ全体を1つの納税主体とみなして行われることから、連結子法人を含めたグループ全体について、制度説明会、導入による社内業務フロー手順の見直し、連結親法人と連結子法人との情報伝達経路の整理や迅速化など通常の業務に加えて行うべきことが増加することになります。

さらに、通常の申告作業に追加して連結納税申告作業が加わるため、事務負担が増します。また、連結納税申告における税額計算は、連結納税グループの各法人の所得金額や欠損金額を通算した上で行うことになるため、連結納税グループ内の一つの法人の課税所得金額に修正が生じた場合には、連結納税全体に影響を及ぼす可能性があります。

人的コスト以外に、その連結納税グループ全体で連動して行う複雑な税額計算に対応するため、新たに連結納税専用の申告ソフトを導入する会社が多く、その場合には追加のコストが必要になります。

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