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移転価格調査の実態

 

国際税務においては、主に各国の課税権を調整して二重課税を回避する企業側から見た問題と、国際的取引を通じての租税回避を防ぐ課税当局側から見た問題があり、それぞれの問題を解消するために各種国際税務制度が作られています。
ここでは、様々な国際税務制度の中でも、特に金額的及び手続的影響の大きい移転価格税制に関して説明します。

  移転価格税制とは

 


移転価格税制とは、国外の関連企業(国外関連者)との取引を通じた国外への所得移転を防止する目的で1986年に導入された制度です。
この税制は、企業が国外関連者と行った取引における価格(国外関連取引価格)を、資本・支配関係のない企業間で取引される価格(独立企業間価格)に修正して課税するものです。


  国際的二重課税の危険性
 
移転価格税制の適用に伴い、仮に調査の結果、更正対象となった国外関連者の所在地国の税務当局が、 その更正された金額と同額を国外関連者の所得金額から減額しない場合、わが国とその所在地国が同時に同じ所得(図の赤枠部分)に 課税する国際的二重課税が発生します。この更正所得金額は、通常の税務調査に比べて極めて多額(数億円〜一千億円)になります。
 


 


また、現在は国際取引の70%以上が移転価格税制の対象となる企業グループ内取引といわれています。
したがって、もし貴社が国際的な販売網の確立や研究開発機能・生産拠点の海外移転などを行なったにも拘らず、移転価格については未検討だとしたら、企業グループ内の国際間取引価格(=移転価格)を巡って、各国の税務当局同士の課税の応酬(税金の奪い合い)に巻き込まれ、貴社のグループ会社の同じ所得に対して2カ国の税務当局が課税する重大な国際的二重課税が発生する危険性が高くなります。


 

移転価格課税調査の及ぼす影響

移転価格課税調査が企業活動に与える影響としましては、下記の通り非常に膨大かつ広範囲に及びます。

   

1.調査期間が長期
調査開始から終了まで2年〜3年が一般的、また遡って調査する期間が6年(移転価格以外は5年)と長くなります。
2.膨大な資料作成、提出、説明
国外関連者も巻き込んで国外関連取引価格が独立企業間価格(ALP=Arms Length Price)であることを説明する必要があり、当局の求めに応じた資料作成など準備に膨大な事務負担が必要となります。
3.調査期間中の経常事務の停滞
調査期間中は当局への対応により、企業の経常事務が滞る可能性が高くなります。
4.株主への説明義務等の発生
仮に国外関連取引価格がALPと大きく乖離していた場合、更正金額が多額に上るため、情報開示の観点から プレスリリースや株主への説明義務が発生します。
5.税理士等への高額な支払報酬
準備及び国税当局の調査対応に伴い、税理士等への高額な支払報酬が発生します。


移転価格税制をめぐる動き

移転価格税制をめぐる近年の動きとしましては、下記の状況が挙げられます。

  1.国税局調査部の国際課税担当者数及び移転価格調査件数の経常的増加、国家公務員に厳しい定員削減の中、2010年までの5年間で国際課税担当者の人数が約350人まで増員されており、このうち約半数が移転価格を担当しています。
また、国際課税担当者の人数増加に伴い、移転価格調査件数も増加傾向にあります。
   
国税庁による移転価格調査結果
  国税庁発表資料より
年度 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
申告漏れ件数 62 84 119 101 133 134 100 146
申告漏れ所得金額
(億円)
758 2,166 2,836 1,051 1,698 286 687 698
1件当たり申告漏れ
所得金額(億円)
12 26 26 10 13 2 7 5

  2.移転価格調査対象の拡大
    従来、移転価格調査は大半が棚卸資産取引を対象としていましたが、近年は無形資産等の取引(=特許やノウハウの使用料、役務提供、債務保証など)にも拡大・シフトしており、あらゆる業態・業種に影響が及ぶこととなります。
 
3.APA(事前確認制度)の利用拡大
    APA (Advanced Pricing Arrangement = 事前確認制度)とは、1987年に導入された制度であり、企業がその所在する国の国税当局に国外関連取引価格が独立企業間価格であることを確認することで課税リスクを低減する制度です。
この2者間だけで行なうAPAを「ユニラテラルAPA」といい、当該企業の国外関連者及びその所在国の国税当局も含めた4者で行なうAPAを「バイラテラルAPA」といいます。
事前確認の申出件数は、87年〜02年の15年間で258件、つまり年平均17件に対して、2007年113件、2008年130件、2009年149件と急増しています。
   
APAの発生・処理件数
  国税庁発表資料より
年度 〜2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
発生件数 258 80 63 92 105 113 130 149 135
処理件数 170 39 49 65 84 82 91 105 128
   
バイラテラルAPAでは、それぞれの国税当局がお互いに事前確認結果を持ち寄り、当局間でその確認結果を基に国際的二重課税排除のための協議を行います。この協議を「相互協議」といいます。
     
 
4.中国での移転価格課税
    中国では、技術移転による現地企業の無形資産保有の設定が積極的に行われており、その結果、本邦企業は技術移転の対価を正当に回収することが困難となり、移転価格課税による二重課税リスクが高まっています。

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